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運動量
I. プロローグ

運動量とは、厳密には、角運動量に対して線運動量をさしてよび、物体の運動を特徴づける基本的な物理量である(力学)。線運動量は、運動する粒子の質量と線速度(速度)の積であらわされ、ベクトル、つまり大きさと方向をもつ量である。

物体の集合からなる系の全運動量は、個々の物体の運動量のベクトル和となる。孤立した系においては、全運動量は時間がたっても変化しない。これは運動量保存の法則とよばれる。

たとえば野球のボールをバットでうつとき、ボールにあたる直前のバットの運動量となげられたボールの運動量との和は、ボールをうった直後のバットの運動量とうたれたボールの運動量との和に等しい。また水にうかんだ丸太からアヒルが水にとびこむ場合、とびこむ前は、丸太もアヒルも静止しているので運動量はゼロである。とびこんだとき、アヒルは前向きの運動量を獲得するが、丸太は方向が反対で同じ大きさの運動量を獲得し、両方の運動量の和はゼロにたもたれているのである。

II. 運動量の保存

運動量の保存は、物理学における保存の法則の中でもっとも重要で普遍的なものである。とりわけ、原子や原子核における現象をあつかう量子力学(量子論)や、光速に近い速度で運動する系をあつかう相対性力学(相対性理論)においても有効である。

イギリスの天文学者・数学者・物理学者ニュートンにちなんで名づけられているニュートンの運動法則の第2法則は、運動している物体にはたらく力は、運動量の時間変化の割合に等しいというものである。これは、力積は物体の運動量の変化に等しい、と表現することもできる。力積とは、物体に力がはたらくとき、力とそれがはたらいている時間との積である。