| ルネサンス | 項目ビュー | ||||
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| III. | 歴史的背景 |
イタリア・ルネサンスの背景には、フィレンツェ、フェッラーラ、ミラノ、ベネツィアなどの都市の発展があった。これらの都市は12~13世紀の経済の発展と、それにともなう人口の増加によって15、16世紀まで大いに繁栄した。生活水準の全般的な向上は、現世の快楽や生活の快適さ、豪華さの追求など、死におびえ神にすがろうとした中世の人々とは異なる意識や態度をもたらした。また、14世紀の王権の拡大にともなっておきた教会の分裂は、調停者としてのキリスト教会の権威を失墜させ、キリスト教的な世界観そのものの重要性を低下させた。しかも、活発な経済活動は社会の仕組みを複雑なものにし、キリスト教的な世界観だけでは、もはや社会現象のすべてを解釈することが不可能になっていた。
いっぽう、都市の発展によって、大きな富や支配者の地位を獲得した人々は、大きな権力と、より快適な生活をもとめ、また、より多くの知識をもとめて、多数の工芸家や学者たちの活動を保護した。フィレンツェのメディチ家、フェッラーラのエステ家、ミラノのビスコンティ家やスフォルツァ家などである。また、東方との交流の増大は、衣料品や食品など、アジア起源の多くの物品をもたらして都市生活を豊かにしていたが、工芸の技術や科学、思想なども並行してイタリア半島につたえられ、ルネサンスの時代のイタリアに新しい刺激をもたらした。