| 弦楽器 | 項目ビュー | ||||
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| III. | 形状による分類とおもな楽器 |
胴体の形状や弦の張り方によって、弦楽器はチター型、リュート型、リラ型、ハープ型の4つに分類される。
| 1. | チター型 |
チター型は、胴体の端から端まで弦が張られている種類のものである。胴体の形態は弓状、棒状、板状、箱状、筒状などさまざまであるが、ほかの型の弦楽器とはことなり、棹(さお)や腕木などの部分はない。
弓形の胴体をもつものに楽弓がある。これはもっとも原始的な弦楽器とみなされるもので、現在でもアフリカや南アメリカでもちいられている。この種の楽器には、ヒョウタン類を素材とする共鳴体がとりつけられていることが多い。
平らな箱型の胴体をもつタイプは、おもに西アジアからヨーロッパにかけて発達した。撥弦される楽器にはアラブのカーヌーン、フィンランドのカンテレ、ドイツとオーストリアのチター、打弦される楽器にはアラブのサントゥールや東ヨーロッパのチンバロムがある。ヨーロッパ中世の同種の楽器であるプサルテリウム(撥弦)やダルシマー(打弦)は、クラビコード、ハープシコード、ピアノなどの鍵盤楽器の祖先となった。
一方、東アジアでは琴(きん)、筝など、偏平な筒形の長い胴体をもつタイプがとくに発達した。朝鮮半島のカヤグムも筝の一種である。
| 2. | リュート型 |
リュート型は、胴体からまっすぐ出ている棹の端から胴体まで弦を張ったものである。棹を左手でにぎり、指で弦をおさえて音高を変化させ、右手で撥弦ないし擦弦によって音を出すというのが、この型の弦楽器に共通する演奏方法である。
リュート型の楽器は、現在、世界でもっとも広くもちいられる種類の弦楽器で、種類もきわめて豊富である。その起源は西アジアにあり、そこから各地につたわっていったと考えられている。アラブ音楽では、リュートの語源ともなったウードが、現在でも「楽器の女王」として中心的な位置にある。
ヨーロッパでは、ルネサンス時代に大流行したリュート、中世以来イベリア半島でこのまれてきたギター、17~18世紀にイタリアで発達したマンドリンが撥弦楽器の代表的なものである。また、前述のように擦弦楽器もひじょうに発展しており、ルネサンスからバロック時代にはビオラ・ダ・ガンバの一族が、またバロック時代から現代にかけてはバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスのバイオリン族がクラシック音楽(→ 西洋音楽)における合奏音楽の中核をなしている。
一方、東アジアでは、古代より中国で琵琶がもちいられ、朝鮮半島や日本につたわった。やがて、長い棹をもち動物の皮を胴体の表面に張った三弦が中国でつかわれるようになり、沖縄地方の三線(さんしん)をへて、日本では三味線という形で定着した。また、中国の胡琴(こきん)、日本の胡弓、モンゴルの馬頭琴(ばとうきん)は、アジアの数少ない擦弦タイプの楽器である。
このほか各地の代表的な民俗楽器としては、ハワイのウクレレ、アメリカのバンジョー、ロシアのバラライカ、さらにインド北部のシタールや南部のビーナなどをあげることができる。
現代ではさらに、ポピュラー音楽におけるリュート型の弦楽器の新たな活用もみのがせない。ジャズでは本来は擦弦楽器であるコントラバス(ダブルベース)が指ではじいて演奏する撥弦楽器として一般的につかわれており、また電気的な増幅装置をそなえたエレキギターもロックなど多くのジャンルで活躍している。
| 3. | リラ型とハープ型 |
リラ型は、胴体から出ている2本の腕木の先に横木をわたし、横木から胴体まで弦を張ったものである。古代ギリシャのリラとキタラがその典型であるが、これらの楽器はヨーロッパでは中世ごろには姿をけした。現在、アフリカの民俗楽器にこの型がみられる。
ハープ型は、棹を胴体に対して「く」の字型になるようにとりつけ、両者の間に弦を張ったものである。ヨーロッパでは、胴体と棹の間を支柱がささえるタイプのものが伝統的にもちいられており、調弦装置の工夫の結果、18世紀にはほぼ現在と同様のハープが成立した。一方アフリカでは、各種のハープが民俗楽器として重要な位置を占めている。またアジアには、ミャンマーに「ビルマの竪琴」で知られるサウン・ガウがある。
なお西アフリカでは、リュート型の胴体にハープ型と同様の弦の張り方をする、コーラという独特の弦楽器が発達し、広くもちいられている。