| ガラス | 項目ビュー | ||||
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| II. | 拡張されたガラスの概念 |
高温で融解している固体を冷却していくと、温度の低下にともなって連続して体積が減少していく。固体が結晶構造をとるときは、温度が凝固点に達したところで、温度がほとんどさがらずに、体積だけが急激に減少する。しかし、固体がガラスになる場合は、明確な凝固点がなく、ある温度までさげたときに、温度の低下にともなう体積の減少の割合が緩やかな傾斜に変化する。この温度をガラス転移点またはガラス転移温度といい、その温度近くで高粘性液体から固体へと変化する。
せまい範囲のガラスは、ケイ酸、ホウ酸、リン酸などを結晶化させずに冷却固化させたものをさしている。しかし、せまい範囲のガラスと分子構造が同じで、ガラス転移点が確認できる物質は、無機、有機の化合物やある種の金属、合金の材料を一定の条件で処理したときにもできる。これらの全体を、ガラスあるいはガラス物質というようになっている。
ガラス性結晶とよばれる物質は、明確な凝固点があるにもかかわらず、結晶を形成しないで、分子が乱雑なまま固体になる物質のことで、この場合は、ガラスを広い意味でつかっている。また、結晶化ガラス(セラミックガラスともいう)という材料もある。これは、シリカにアルミナや酸化リチウムをくわえた原料に、金、白金、酸化金属などの結晶化を促進する成分をドープ(→ ドーピング)して、ガラス転移温度の近くで条件を制御しながら結晶をつくるものである。ガラスの定義からすると矛盾しているが、せまい意味でのガラスで、本来はガラスになる成分をつかって結晶にしていることを表現している。
年代が特定できる最古のガラスは、アッカド王朝(前2340~前2150:→ シュメール)の遺跡から発掘された棒だが、正確に人類がいつごろからガラスを利用したかははっきりしない。ガラスは器と装飾品をつくるためにつかわれた。また、建築材料や工業用材料にもつかわれる。