カトリック教会
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カトリック教会
I. プロローグ

キリスト教における最大の教派。正式には「ローマ・カトリック教会」といい、たんに「ローマ教会」と略称することもある。信仰にかかわることがらに関して、ローマ司教である教皇の最高の権威をみとめるキリスト教徒によって構成される。

「カトリック」(ギリシャ語の「カトリコス」)という語は「普遍的」という意味である。この語がキリスト教の教会に関して最初にもちいられたのは、アンティオキアのイグナティオスがスミュルナの信徒にあてた手紙(110頃)においてである。のちにアレクサンドリアのクレメンスもまた、自著「ストロマタ」(雑録)の中でこの語をもちいた。

専門用語としての「カトリック」は、3世紀初頭には確立していたようにみえる。以来、今日にいたるまで、この用語は教会の教えと権威の普遍性を表現するものとしてもちいられてきた。カトリック教会の公理を、5世紀のガリア南部の神学者、レランスのビンケンティウス(バンサン)は次のようにいいあらわしている。「いかなる場所でも、いつの時代にも、万人によって信じられてきたもの。これこそ真に、またただしくカトリック的といえるものである」。

カトリック教会は自らを、イエス・キリストから十二使徒にさずけられた使命と権威の唯一の正統的な継承者とみなしており、それがペトロ以来、とぎれることのない使徒継承によって代々うけつがれてきたと主張する。カトリック教会は、ヨーロッパ文化の発展と、ほかの諸文明へのさまざまなヨーロッパ的価値観の導入に、多大な影響をあたえてきた。世界の全信徒数は、1990年代前半の統計で約9億5840万人におよび、これは世界の総人口のほぼ17%、全キリスト教信徒の56%を占める。もっとも有力なのはヨーロッパ南部とラテンアメリカ諸国だが、他地域でも膨大な信徒数をもっている。