| カトリック教会 | 項目ビュー | ||||
| 印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。 | |||||
| II. | 組織と構造 |
初期キリスト教の伝統にしたがい、カトリック教会の組織上の基本単位をなすのは、各地の司教が管轄する教区(司教区)である。全教会は、世界のおよそ1880の司教区と、およそ520の大司教区から構成されている。大司教は、かつては周辺地域の諸司教のうえに法治上の権力をふるったが、今日ではたんに比較的有力な教区の司教であるにすぎない。
各教区内のもっとも重要な教会は大聖堂(カテドラル)であり、そこでは礼拝やその他の儀式を司教自らが司式する。大聖堂には司教の聖座(ラテン語で「カテドラ」)があり、初期教会ではその椅子(いす)から司教が会衆に説教をおこなった。
| 1. | 司教 |
司教は各教区における最高の典礼司式者であり、主として叙階の秘跡を執行する権限をもつ点と、通常は堅信の秘跡をおこなう点で、ほかの司祭たちとは区別される。司教はまた、教区内における最高の法治上の権力をもつ。すなわち、自分の教区に司祭をうけいれたり、教区内の司祭に聖務停止を命じる権限をもつ。また、自分の教区に属する司祭を各小教区の担当者に配置したり、その他の職務に任命する。司教が、教区管理にかかわるこまごまとした実務を司教総代理や秘書局長やその他の職員に代行委任する場合もある。とくに大きな教区では、補佐司教や協働司教が司教の補佐をおこなう場合もある。
| 2. | 聖職者(司祭、助祭) |
司教の下に位置する聖職者(司祭、助祭)には、教区つき聖職者(いわゆる在俗聖職者)と修道会の聖職者の区別がある。教区つき聖職者は修道会の会員ではなく、終生、各地の司教の権威のもとで教区に所属する。彼らは通常、教区内の各小教区に配属され、そこで司牧者としてはたらく。
他方、修道会の聖職者は、第一義的にはそれぞれ修道会に所属し、修道会そのものは教区の境界を超越している。特定の教区内ではたらく場合、公的礼拝にかかわることがらについては当該教区の司教の裁可に服さねばならないが、その他の点については相当程度の自主判断がゆるされる。同じことは、修道会の会員ではあるが聖職者ではない修道女(シスター)や修道士(ブラザー)たちについてもいえる。このような聖俗ふくめた修道会会員は、しばしば教区内の学校や病院やその他の慈善団体や社会奉仕施設につかえている。
第2バチカン公会議(1962~65)以降、修道会に属さない平信徒が、司祭や司教を補佐するうえで大きな役割を演じるようになっている。そのような傾向は、とくに実践的なことがらに関して顕著だが、「カテケーシス」(成人洗礼をうける準備のための教理教育)のような直接牧会にかかわることがらにまでおよんでいる。
| 3. | 教皇 |
カトリック教会の頂点をなすのは、教皇(「ローマ法王」は俗称)である。教皇は、教会にかかわるすべてのことがらについての究極的な権威をもつ。教皇は各教区に司教を任命したり、担当教区を移動させたりする。各司教は、職務上、それぞれの教区における法治上の権力をもつが、教皇の認可なしにはその権力を正当なものとして行使できない。
1965年9月15日、教皇パウルス6世は世界代表司教会議を制度化した。これは、重要な問題に関して助言をもとめるために教皇が召集する、司教およびその他の代表者たちの協議会である。最初の会議は67年にバチカン市国でおこなわれ、以来、何度かの会議がもよおされている。
この代表司教会議は、世界じゅうの全司教が召集される厳粛な公会議と混同されてはならない。カトリック教会がその長い歴史の中で、公会議をひらいたのはわずか21回にすぎない。もっとも新しいものは、1962~65年の第2バチカン公会議である。公会議は教皇と一体をなすものだが、それがカトリック教会における最高の権威をなすことは疑問の余地がない。
| 4. | 枢機卿 |
枢機卿は、教皇についで高い権威をもつ聖職者である。彼らは教皇によって任命され、教会の最高会議機関である枢機卿会を構成する。教皇が死去した場合には、枢機卿たちが互選で後継者を選定する。枢機卿のほとんどは、世界じゅうにもうけられている教区の司教である。その他は、教皇庁の諸聖省や諸官庁の長としてバチカンに常勤する司教である。
かつては、枢機卿会の定員は70名に制限されていた(構成は、司教枢機卿6、司祭枢機卿50、助祭枢機卿14)。2005年4月1日現在枢機卿の数は183。そのほとんどは、教皇ヨハネ・パウロ2世によって任命された人々である。
| 5. | 教皇庁(ローマ聖庁) |
教会統治のうえで教皇を補佐する組織が、教皇庁とよばれる複雑な官僚機構である。古来、教皇庁はバチカン市国におかれている。現在では、国務聖省が中心となって運営されており、他の各省庁は国務聖省に業務について報告することになっている。各省庁は、国務聖省をふくむ10の聖省、3つの裁判所、3つの官庁、教皇庁外交をあつかう教会外務評議会その他からなっている。
| 6. | 東方典礼派 |
カトリック教会のほとんどの信徒は、初期の時代にローマの司教区で発展した教会規律、典礼様式、教会法にしたがっているが、一部にはこれらのことがらに関して、何世紀もの間つちかわれてきた独自の伝統をまもっている人々がある。
彼らの教会は、東方典礼カトリック教会ないし東方帰一教会(ユニアト教会)とよばれ、マロン派教会、カルデア式典礼教会、ルテニア式典礼教会、ウクライナ式典礼教会などがこれにあたる。これらの教会の一部では、信徒にもパンとブドウ酒の両形色の聖体をあたえる聖体拝領や、体全体を水にしずめる浸礼による洗礼などが正統的なものとしておこなわれており、また、聖職者の結婚もゆるされている。