| 釉薬 | 項目ビュー | ||||
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| I. | プロローグ |
釉(ゆう:うわぐすり)ともいう。焼き物の表面をおおうガラス状の被膜。その基本的な原料は岩石と灰で、1000°C以上の高温で焼成されることにより溶融してガラス状の膜となり、器の表面などに付着する。施釉の効果は、吸水性のある陶器素地(きじ)が液体や気体を吸収しないようにする、もろい器体の強度を高める、器の表面をなめらかにして汚れを落ちやすくする、美的装飾など、さまざまある。
釉薬は、西アジアでガラス製造技術を応用して誕生したとされ、東へはシルクロードやインド洋経由でアジア諸国につたえられ、西へは地中海を経由してヨーロッパに伝播(でんぱ)した。このように東西に広まった施釉技術は、各地の風土によって多彩に変化し、独自の発展をとげた。
一方、ユーラシア大陸の東部に位置する中国でも古くから緑釉、褐釉の陶器が生産されたとされるが、その起源は明らかでない。中国では高温での焼成技術が早くから発達して硬質な焼き物がつくられ、独自の施釉がおこなわれた。原料にふくまれる金属成分で1000°C以上の高温に耐えるものはかぎられるため、鉄や銅を呈色剤とした単色釉の陶器や、青花(せいか)とよばれる磁器染付などがつくられた。この施釉技術は朝鮮半島をへて日本にもたらされる。