自殺
印刷するには、[ファイル] メニューの [印刷] をクリックします。
自殺
III. 自殺をうながす条件

大半の社会科学者は、自殺は生物的、心理的、そして社会的な原因を有する複雑な行動であるという点で、意見の一致をみている。たとえば、精神医学者の研究によると、深刻なうつ病は自殺者によくみうけられ、また、うつ病は遺伝的であることが多い、という論点が提起されている。

心理学者と社会学者は、自殺しやすいパーソナリティとそのとりまく状況との関連を指摘している。自殺は、しばしば、くるしい環境からの逃避として利用されたり、自殺においこまれた事柄に責任がある人に対する復讐行為(ふくしゅうこうい)として利用されることもある。こうした感情は、自殺者がのこす遺書であらわになることがある。

しかし、自殺にふくまれるもっともありふれた要素は、自殺者が人生はとてもくるしいので死だけが安らぎをあたえてくれると考えることにある。感情的な喪失感や慢性的な苦痛は、生活環境をかえられないという個人的な絶望感をもたらしたり、たとえどのように状況が変化したとしても絶望感をもたらすことがある。そしてこれらの感情は死が唯一の選択であるとみる心理的な「トンネルビジョン」を生みだす。

社会的な条件も、しばしば結果として自殺率のいちじるしい増加をもたらす。たとえば、第1次世界大戦後のドイツの若者の間や大恐慌の絶頂期である1933年のアメリカでおきた現象がそれである。最近では、政府の政策に政治的に抗議する形態として利用されることもある。