ナポリ
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ナポリ
III. 名所と文化施設

ナポリには城砦(じょうさい)や名所が多い。12世紀の城カステル・デローボは岩がちな小島にあり、市内から道路が通じている。このほか、港に面して13世紀のカステル・ヌオーボが、市内をみおろす丘の上には14世紀のカステル・サンテルモがある。ナポリの旧王宮パラッツォ・レアレは17世紀初めに建設されたが、現在は国立図書館で、貴重な書物や写本が収集されている。この近くに、オペラの公演で名高いサン・カルロ劇場(1737年創建、1816年再建)がある。

ナポリの国立考古美術館には、ポンペイ、エルコラーノ(古代名ヘルクラネウム)などから出土したギリシャ・ローマ時代の絵画や彫刻の膨大なコレクションがあり、ファルネーゼ家所有のすぐれたコレクションもおさめられている。カポディモンテ美術館もまたファルネーゼ家ゆかりの古代彫刻とルネサンス絵画の収集で知られている。そのほかナポリ大学、海軍学校、外国語学校、音楽芸術学校、芸術アカデミーなどもある。

教会建築が多数ある中でもっとも有名なものが、サン・ジェンナーロ大聖堂である。13世紀に着工されたが、増築がくりかえされた。ファサードは19世紀のものである。大聖堂にはナポリの守護聖人、聖ジェンナーロの墓がある。また、大聖堂には、聖ジェンナーロが処刑されたときにながした血が保管されており、毎年5月と9月にこの血がとけだし、ナポリを災害からまもっている証(あかし)をしめすと信じられている。これが聖ジェンナーロの奇跡祭で、祭日には信者たちであふれる。サン・ドメニコ・マジョーレ教会には、豪華な彫刻やフレスコ画がのこっている。この教会に隣接する旧ドミニコ会修道院は、トマス・アクィナスがすみ、おしえていた所である。

美術の面では、17世紀初めにこの地に滞在したカラバッジョの影響でナポリ画派が誕生した。それはスペインからきたリベラやナポリのジョルダーノ、ローザらによって17~18世紀にバロック的な個性を表現した。