甲状腺
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甲状腺
III. 甲状腺の病気

甲状腺の機能をテストするために、チロキシンとトリヨードチロニンの直接測定など、数多くのさまざまな臨床検査法がもちいられている。臨床的には甲状腺の結節の触診やこぶの有無をみる。甲状腺癌の発見、診断には放射性ヨードかテクネチウム99m(アイソトープの1種)による甲状腺スキャンがとくに役にたつ。甲状腺癌は進行がおそく、予後はよい。甲状腺は放射線に敏感だといわれている。1970年代には、若いころニキビ、たむし、扁桃腺炎などをX線で治療した人たちに甲状腺癌が多くみられた。

1. 甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰につくられる病気は、甲状腺機能亢進症あるいはグレーブス病(バセドー病)とよばれ、代謝が高まり活動は活発になる。ときに眼球突出など眼の異常をともなう。治療には、メルカゾールやプロピルチオウラシルなど、抗甲状腺剤か少量の放射性ヨードを投与すると効果がある。放射性ヨードは、甲状腺に蓄積すると甲状腺組織をこわして効果をあらわす。見かけの甲状腺機能亢進症は、甲状腺細胞がこわれ多量の甲状腺ホルモンが放出されて生じることがある。橋本病では、甲状腺組織に対する自己抗体がつくられて甲状腺細胞がこわされる。自己免疫疾患

2. 甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンが欠乏する甲状腺機能低下症の特徴は、不活発、あるいは代謝の低下である。脳下垂体の病気が原因のこともあり、また甲状腺そのものの病気が原因のこともある。以前、アメリカの五大湖や内陸の山岳地帯でみられた甲状腺腫は、食事にふくまれるヨード不足がおもな原因となって、甲状腺機能低下症をおこしていたためとされている。いまでは予防のため食卓塩にヨードが添加されるようになっている。クレチン症という先天性甲状腺機能低下症は、遺伝的に甲状腺機能に欠陥のある病気で、およそ数千人に1人の割合で生まれる。