| セザンヌ,P. | 項目ビュー | ||||
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| III. | 印象派の影響 |
セザンヌの初期の作品の多くは、前世代のロマン派的な表現方法をうけつぐ厚塗りの暗い色調でえがかれた。ゾラが写実主義小説で自分の関心を追求したように、セザンヌもしだいに今日的な生活を主題にとりあげ、それを理想化したり、様式化したりせずに、自分で観察したとおりにえがくようになる。
初期作品の円熟に重要な影響をあたえたのは、ピサロであった。ピサロはセザンヌより年長だったがまだ世間にみとめられず、パリ郊外の農村に大家族とともにくらしていた。彼はセザンヌを精神的にはげまし、戸外の光を表現する印象派の新しい技法をおしえた。→ 印象主義
モネやルノワールなどの画家たちとともに、ピサロは純粋な色彩の点描により、下描きのスケッチや輪郭線をつかわずに、戸外ですばやく画面にえがく方法をつくりだしていた。画家が自然を前にしたときに変化する画家自身の感情や、移りゆく自然そのものの印象を、こうしたやり方でとらえることができると彼らは考えた。1872~73年のわずかな期間に、ピサロの指導によってセザンヌは暗い色調から明るい色調にかわり、農地や農村の光景をえがくことに専念するようになった。