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| III. | 素粒子のふるまい |
電磁場や重力場という考え方がもたらしたもうひとつの重要なことは、量子論で波動と粒子の二重性の概念をもちいて、原子より小さな世界における波動や粒子のふるまいを記述できたことである。
ある波長の波は、ある運動量の粒子に対応し、波長と運動量の積は一定のプランク定数となる。電磁場や重力場に付随する波動は、粒子状の励起、つまり量子とよばれるとびとびのエネルギーをもっている。電磁エネルギーの量子はフォトン(光子)とよばれ、重力エネルギーの量子はグラビトン(重力子)とよばれる。電磁波も重力波も高速でつたわるので、付随する粒子つまり量子は質量をもたない。
波動と粒子の二重性から、電子や陽子のような素粒子も、対応する波長や量子場をもつことが予測できる。電磁場と電子の電荷との相互作用は、実はこの場と電子の量子場との相互作用の結果なのである。電子や陽子の量子場理論は量子電気力学といい、原子のエネルギー水準はとびとびに変化するものでなければならないと仮定して実験的に確かめる研究がおこなわれてきた。クォークがグルーオンによって結合されて陽子や中性子を形成する力といった、自然界の基本過程を記述するために、同様な量子場理論が展開されてきた。