サクラ
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サクラ
III. 日本に自生するおもなサクラ
1. ヤマザクラ(山桜)

本州(宮城、新潟県以西)、四国、九州の山野に生える。高さ15~25m。日本の野生のサクラの代表で、古くから庭木としてもよく植えられている。花期は3~4月。葉が花よりはやくでるか同時にでるので、開花時には花と葉が枝についている。若葉は赤、茶、黄色などの変異がある。花はピンク色または白で花弁は5枚。花の直径は3~3.5cm。樹皮に皮目がめだつ。

2. オオヤマザクラ(大山桜)

北海道、本州、四国(石鎚山)の山地に自生する。とくに北海道に多いのでエゾヤマザクラの別名がある。花期は4~5月。高さ10~15m。花はヤマザクラよりやや大きく、色もこい。

3. カスミザクラ(霞桜)

北海道から九州までの山地に自生。ヤマザクラよりやや高冷地に生える。無毛のヤマザクラとは対照的に、がく筒、花柄、葉の裏、葉柄に毛がある。花は白またはわずかにピンクがかる。花弁は5枚で花径2~3cm。花期は4~5月。同じ場所ではヤマザクラやオオヤマザクラよりおそくさきはじめ、カスミザクラがちると山の春も終わりとなる。

4. オオシマザクラ(大島桜)

伊豆諸島に自生するほか、房総、伊豆半島では野生化している。高さ8~10m。花期は3~4月。花はうすいピンクまたは白色で、直径3~4cm。花弁は5枚、花弁の先が2つに浅くさける。樹勢がたいへん強いので、たくさんの園芸品種の母種になっている。

5. マメザクラ(豆桜)

静岡県東部、甲信地方、房総半島に分布。高さ3~8mの落葉小高木。花と葉が小さいのでマメザクラの名がついた。富士山と箱根山に多いことからフジザクラ、ハコネザクラの別名もある。樹形は根元から枝分かれすることが多い。3~4月、葉と同時ぐらいに直径約2cmの5弁花がさく。庭木や鉢植え、盆栽などによく利用される。

6. ミネザクラ(峰桜)

別名タカネザクラ。中部地方以北、北海道に分布。本州では深山に生えるが、北海道では低地でもみられる。高さ2~7m。5~7月、若葉と同時にピンク色の花がさく。花は開ききらず杯(さかずき)状にさく。花径2~3cm。

7. チョウジザクラ(丁字桜)

本州(関東以南のおもに太平洋側)、九州の山地に生える。高さ3~7m。野生のサクラの中ではいちばん花が小さく、花径約1.5cm。3~4月、葉が開く前に、やや下向きに花がさく。果実は甘みがあって食べられる。日本海側の多雪地帯には、変種のオクチョウジザクラがある。

8. エドヒガン(江戸彼岸)

長寿のサクラのほとんどが本種で、各地に巨樹、名木がのこる。別名アズマヒガン、ウバヒガン。本州、四国、九州の山地に自生する。高さ15~25m。3~4月にピンク色または白色の花がさく。花の直径2.5~3cm。がく筒がまるくふくらむ特徴がある。樹勢が強く、大木となり樹齢が長い。

花や葉の形はエドヒガンと同じだが、枝が長くたれさがるものをシダレザクラ(枝垂桜)またはイトザクラとよび、平安時代のころから庭園や寺社などに植えられてきた。

9. カンヒザクラ(寒緋桜)

サクラのなかでいちばんこい赤色になる種類。原産地は中国南部と台湾だが、沖縄県の石垣島などに野生化している。別名ヒカンザクラ。高さ5~7m。沖縄では1月からさきはじめる。花の直径は約2cmで、鐘形で半開きのまま花弁とがく筒がはなれずにいっしょにおちる特徴がある。学名のカンパニューラ(鐘)はこの花形による。暖地性のサクラなので、栽培は関東南部ぐらいが限界である。関東での開花は3月下旬。カンヒザクラは鹿児島県や沖縄県で公園樹などに多い。名護市では10万本をこえるカンヒザクラが植えられ、名所となって1~2月はにぎわう。

10. ミヤマザクラ(深山桜)

北海道から九州までの深山に生え、とくに北日本に多い。高さ10~15m。5~6月に総状花序をだし、純白で小形の花をつける。サクラ類で総状花序は本種のみ。花の直径は約2cmで、花弁はまるく、中心からおしべが長く放射状につきでてよくめだつ。秋にうつくしく紅葉する。ミヤマザクラは大気汚染に弱いのであまり栽培されず、園芸品種もない。