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| II. | 著作 |
アリストテレスは、師のプラトンと同じく多くの対話形式の著作をのこしたが、そのほとんどはうしなわれて現存しない。現在アリストテレス著作集としてつたわっているものは、うもれていた彼の膨大な講義ノートをロドス出身のアンドロニコスが前1世紀に整理し編纂したもので、そのテーマは学問と芸術のあらゆる分野におよぶ。
まず論理学関係の著作があるが、これらは実証的な知識をうる手段を提供するところから、「オルガノン(道具)」と名づけられた。自然科学関係の研究は、「自然学(Physica)」の名でまとめられたが、そこには天文学、気象学、植物学、動物学に関する膨大な情報がふくまれている。
存在するかぎりでのすべての存在者を考察することを、アリストテレス自身は「第一哲学」(狭義の哲学)とよんでいたが、この分野の論稿群は、最初の出版時(前60年頃)にたまたま「自然学」の次に編纂された。そのためこの分野は「Metaphysica(自然学のあとの巻)」とよばれるようになった。日本では「形而上学」と訳される。あらゆる存在者をうごかす不動の第一動者に関する考察も、ここにふくまれる。倫理学書「ニコマコス倫理学」は、自分の息子ニコマコスにささげたもの。そのほかの重要な著作としては、「修辞学」「詩学」「政治学」などがある。