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III. 星表とカタログ

肉眼でみえる比較的少数の星は古くから名前がつけられているが、ふつう、星は天文台が発行したさまざまな星表とカタログの番号でよばれる。最初の星のカタログはエジプトの天文学者プトレマイオスが2世紀に編纂した「アルマゲスト」で、1028個の星の名前と位置が掲載されている。1603年にドイツの天文学者ヨハン・バイエルによって星表がアウクスブルクで出版された。バイエルはプトレマイオスよりもはるかに多くの星を掲載し、星を星座とギリシャ文字や互いの位置関係であらわした。

18世紀にはイギリスの天文学者ジョン・フラムスティードが約3000個の星の星表を出版したが、星を文字ではなく番号と星座の名前でよんだ。1781年、フランスの天文学者シャルル・メシエが「メシエ星表」をつくった。1862年にドイツのボンで発行された最初の近代的な星のカタログ「ボン星表」には30万個以上の星の位置が掲載されている。

1887年、国際委員会が精巧な星のカタログの制作をはじめた。協力した約20の天文台で撮影された約2万1600枚の写真乾板をもとに、くわしい星のカタログが編纂された。このカタログには800万から1000万個の星が掲載されている。

近代の星のカタログは、本ではなく、視野のひじょうにひろい望遠鏡でとられたガラスの写真乾板の複写である。アメリカのカリフォルニア州パロマー山の1.22mmのシュミット望遠鏡をつかっておこなわれた最初の大調査は1950年代半ばに終了した。それぞれの写真乾板1枚には6 × 6度の空の領域がうつっており、パロマー山からみえる全天(北天)を1035枚の図で網羅している。これに相当する南半球(南天)の図が現在、オーストラリアとチリにあるシュミット望遠鏡をつかってつくられている。