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| IV. | 発芽 |
発芽という言葉は、休眠期間ののちに種子の胚の生長が再開することをさす。種子は、媒介者によって好適な環境にうつされてはじめて発芽する。好適な環境のおもな条件は、じゅうぶんな水と酸素、適当な温度である。植物は種によって発芽に最適な気温がことなる。原則として、極端な低温あるいは高温は発芽に適さない。種子によっては、発芽前に光に一定期間さらさなければならないものもある。
発芽の間に、休眠期間中ほとんど乾燥していた胚の中へ種皮をとおって水が浸透し、種子が膨張する。この膨張は、しばしば種皮が破裂するほど大きい。種子が酸素を吸収すると、エネルギーを生長に利用できるようになる。胚乳あるいは子葉にたくわえられた栄養源は、酵素によって分解されてより単純な物質になり、胚をとおってそれぞれの生長部位へおくられる。
胚の中で最初に種皮をやぶるのは、幼根である。幼根からは根毛が生じて水を吸収し、胚を土壌に固定させる。それから胚軸がのび、幼芽、そして1枚または複数の子葉を地表上にだすことが多い。子葉が光にさらされると葉緑素が生じて、幼芽から葉にかわるまで光合成をおこなう。多くの植物、とくにイネ科の植物では、子葉が地表上にあらわれることがなく、葉が発達するまで光合成はおこなわれない。その間、植物は種子中にたくわえられた養分で生きる。発芽から植物が種子にたくわえられた養分から完全に独立するまでを苗とよぶ。
→ 品種改良