ダイヤモンド
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ダイヤモンド
III. カットと仕上げ

宝石としてのダイヤモンドの美しさをひきだすためには、わる、粗削りする、みがくなど、いくつもの工程をへなければならない。ふつうは、これをひとまとめにしてカットという。カットのおもな目的は、その石の光輝とファイア(後述の「性質と特徴」を参照。)とを最大限ひきだすことにある。しかし、ひび、傷、曇りなどの欠陥をとりのぞくことも大切である。そのうえで、もっとも大きく、うつくしく、あたえられた条件のもとで最大の価値をもつような宝石をつくりだすように、計画的にカットしなければならない。

カット工程のほとんどで、ダイヤモンド工具がつかわれる。「ダイヤモンドはダイヤモンドでカットする」ことが基本となっているのである。

1. 原石の分割

はじめに、原石をよく検査する。経験をつんだ職人は、この検査でダイヤモンドの劈開面(へきかいめん:われやすい面)がどこかを判断し、欠陥部分をとりのぞき、できるだけ大きい石をえるのにもっとも適した割り方をきめる。原石を分割するには、クリービング(たたき割り)と、ソーイング(のこ引き)の方法がある。

クリービングでは、わる箇所がきまったら、別のダイヤモンドでそこに刻み目をつける。次にクリーバーズ・ナイフという重い鋼鉄製のにぶい刃をその刻み目にあて、軽くハンマーでたたいて、石をわる。わるための道具は単純だが、その使い方には高度な技術が必要とされる。たたき方が強すぎたり、方向をあやまったりすると、原石を粉々にしてしまうからである。

ソーイングでは、ダイヤモンドの微粒子と油をぬったうすい円盤を高速で回転させて、原石を切りわける。

2. カットと研磨

カットの形は原石の形によってきめられるが、もっとも一般的なブリリアント・カットにする場合は、まずブルーティングという方法でまるく整形加工がほどこされる。これは、ダイヤモンドの切削用具をつかって旋盤上でおこなわれる。

次にファセット(切子面)の切出しと研磨をおこなう。この工程には、スカイフという水平に回転している鋳鉄製の円盤に、研磨剤としてダイヤモンド粉末と油とをぬったものをつかう。ダイヤモンドをドップとよばれる道具に固定し、ファセットができるまでダイヤモンドを円盤の表面におしつける。ついで、円盤の別の部分をつかって磨きをかける。この作業をくりかえして、次々に新しいファセットの切出しと研磨をおこなう。

ダイヤモンドは、全部で58面のファセットをもつブリリアント・カットという形にカットすることが多い。カットの形式については宝石を参照。