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氷河時代末期の後期旧石器時代(→ 石器時代)にヨーロッパ地域にいた現生人類(ホモ・サピエンス:→ 新人)で、4万年前ごろに西アジアから移住し、先住のネアンデルタール人といれかわったと考えられている。「クロマニョン」の名前は、1868年に人骨標本が発見された南西フランスのドルドーニュ地方の岩陰遺跡の名に由来している。ネアンデルタール人と区別できる形質的な特徴は、額(ひたい)や「おとがい」とよばれる顎(あご)の先端部が発達している点などである。
ヨーロッパには保存のよい遺跡が多いだけでなく、研究の歴史も長いため、クロマニョン人についても比較的多くのことがわかっている。彼らは、他地域の新人と同様に機能的な住居をつくり、石、骨、角、象牙などさまざまな素材から、すぐれた道具類や芸術品を製作していた。クロマニョン人が発展させたこの文化を後期旧石器文化という。
氷河期にあたる当時の気候が寒かったことと骨製の縫い針がみつかっていることから、クロマニョン人はまちがいなく衣服を着ており、貝や動物の歯や象牙などでつくった装身具を身につけていた。このほか、洞穴には数多くの彩色壁画や線刻画が描かれ、動物などを模した彫刻、鳥の骨でできたフルートに代表される楽器などが製作された。時代をおうにつれ、彼らの文化はより洗練されたものになり、人口もふえたようであるが、これは生物学的な進化によるものではなく、文化的な変化であると考えられている。
アジアやアフリカにいた同じ時期の集団は、やはり新人に属するが、クロマニョン人とはよばない。クロマニョン人の化石は多数発見されて、研究もすすんでいるが、ヨーロッパ以外の地域では、人骨化石はあまり発見されておらず、古い新人集団の形態的特徴やその文化はじゅうぶんにわかっていない。
→ 人類の進化:オーリニャック文化:旧石器時代美術