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ウォーレス,A.R.

1823~1913 イギリスの博物学者。同じ時代に活躍したイギリスの博物学者チャールズ・ダーウィンとともに、自然選択による進化の理論を提唱した。ウェールズのモンマスシャー生まれ。1848年、イギリスの博物学者ヘンリー・ベーツとともに、アマゾン川流域におもむく。さらに54~62年にかけて、マレー諸島で動物相の研究をおこない、その探検中、アジアとオーストラリアでは、動物相に根本的な違いがあることに気づいた。またウォーレス線とよばれる動物学上の境界線を、カリマンタン(ボルネオ)島とスラウェシ(セレベス)島との間にひいた。

その研究の中で自然選択の理論をまとめ、1858年、着想の要旨をダーウィンの元におくった。おどろくべき偶然の一致であるが、ダーウィンがそのとき執筆していた進化論は、ウォーレスのものと共通する部分が多かった。58年7月、2人の論文の抜粋が共同論文として発表されたが、ウォーレスの寄稿部分のタイトルは、「変種がもとのタイプから無限に遠ざかる傾向について」であった。彼は、自然選択にもとづく進化論を「ダーウィニズム」とよんだが、強調点において、ダーウィンと一致しないところもあった。著書に「マレー諸島」(1869)、「自然選択の理論への寄与」(1870)、「動物の地理的分布」(1876)、「宇宙における人間の位置」(1903)などがある。晩年は心霊現象の研究に熱中した。