受精
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受精
II. 他家受精、交雑受精、交配

ことなる個体が生じた精子と卵による受精は、大部分の種類の動植物の特徴となっている。この型の受精は、遺伝子の組み換えによって幅ひろい多様性がえられる点でひじょうに重要である(遺伝学)。自家受精、つまり同一個体に生じた精子と卵による受精では、新しい遺伝形質が導入されないため多様さが限定される。動植物の大半の種は雌雄異体で、精子と卵は別々の個体で生産される。雌雄同体種では精子と卵は同一個体でつくられるが、このような種では精子と卵の発達時期がことなっていたり、ミミズなどにみられるように、生殖器官の配列と交尾方法によって自家受精しないようになっている。

雌雄両方の遺伝細胞は、受精がうまく実現されるような成熟段階になければならない。同一種あるいは近縁種の成熟した精子と卵がであうと、精子細胞は卵に進入する。哺乳類や他の多くの動物の卵は、表面のどこからでも進入できる。一部の魚類、軟体動物、昆虫その他の特定種の卵は、厚い膜におおわれている。こうした卵は、膜の表面にある卵門または受精孔とよばれる特殊な開口部をとおって、進入しなければならない。

ふつう、1つの卵に進入できるのは1つの精子細胞のみである。2個以上の精子が卵に進入する多精子受精は、大半の種では異常なことである。そうした場合でも、実際に卵の受精にあずかるのは1個の精子のみである。胚の細胞分裂がはじまり、精子と卵の核がならぶと、それぞれの区別がつかなくなる(細胞)。雄性胚細胞と雌性胚細胞は、多くの点で相補的である。卵は大部分の細胞質と栄養物質を胚に提供する。精子は機能的な中心体と有糸分裂の最初の起動力を提供する。胚のその後の発生過程については、発生学を参照。

実際上、すべての卵が胚を生じるには、精子による受精を必要とする。ただし特定の無脊椎動物の卵では、受精なしの発生が通則である。この型の生殖を単為生殖という。ことなる種の両親から生じた子を雑種といい、ふつう繁殖能力はない。ただし雑種として生じた子は、どちらの親よりも体が大きく丈夫であることも多い。