受精
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受精
III. 受精の条件

生殖は、胚の正常な発生と未成熟な子の発達をうながす条件を必要とする。親はこうした発生と条件をうながす行動をとることが多い。

クラゲなどの多くの水生動物は、多数の精子と卵を水中に放出することで受精の確率を多少高めるだけで、あとは運にまかせる。サケなどでは、繁殖期間中に雄と雌があつまり、体を接近させて卵と精子を放出し、受精の確率を高める。一部のサンショウウオでは、雄は精子のはいったゼリー状の塊を放出し、雌はそれを排出腔の縁でひろいあげ、卵は体内で受精される。カエルの場合、受精はふつう雌の体外でおこり、雌のうんだ卵に雄が精子をかける。

一般に、交尾あるいは接合では、雄の生殖細胞がメスの生殖管内に放出される。雌の体内への精液の放出を射精とよぶ。交尾は多くの寄生虫、巻貝類、昆虫にみられ、爬虫(はちゅう)類、鳥類、哺乳類のすべてにみられる。生殖習性の発達を、筋道だてて説明する理論はまだない。多種多様な動物群が同じ受精方法をとるいっぽうで、近縁群の方法がひじょうにことなっていることもある。一般に、体外受精は陸生動物よりも水生・両生動物に多くみられる。受精は水を媒介とする必要があり、その結果生じた胚を乾燥からまもる必要があるからである。

植物の受精は本質的には動物の受精と似ている。陸生植物は自動力がないため、大部分が受精のため世代交代とよばれる複雑な方法を、進化させてきた。葉・根・茎・花をもつ植物は胞子体(造胞体)で、球根の形で無性で子植物を産出できる。この胞子体世代は次に配偶体世代を生じ、この世代は有性で繁殖する。2種類の胞子が胞子体の花で生産される。一方は花粉とよばれ、数個の細胞からなり、雄性配偶世代となる。他方は雌性配偶体となり、卵を1つふくんでいる。

雌性配偶体は、雌性胞子体の花の中で保護されている。風や昆虫は花粉を花から花へはこぶ主要な媒介者である(受粉)。花粉は、雌蕊(めしべ)の柱頭に到達してから花粉管をのばし雌性配偶体に達する。その際、胚子嚢(はいしのう)の中の卵のわきにある2個の助細胞は、なんらかの物質を放出して花粉管を胚子嚢にひきよせている。そして1つの精子核が花粉管を通じて胚子嚢に注入され、受精がおこなわれる。その後、生じた胚のまわりで胚珠が拡大し、種子を形成する。この胚は若い胞子体で、風、雨、あるいは動物によって、発芽に適切な場所にはこばれるまで休眠する。

品種改良:生殖:性:精子競争