| ルーマニア | 項目ビュー | ||||
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| V. | 経済 |
第2次世界大戦以前は農業国だったが、戦後は一連の5カ年計画によって工業国への転換をはかってきた。しかし、重工業の偏重により、慢性的な消費財の不足や深刻な環境汚染がおこった。
1989年12月にチャウシェスク政権が崩壊した後、経済は実質的に解体し、輸出が激減した。90年に導入された市場経済への移行をめざす経済改革で、通貨の切り下げ、消費財の補助金カット、国営企業の民営化などが実施された。急激なインフレがおこったが、94年5月のIMF(国際通貨基金)からの融資により沈静化にむかった。IMFとの合意により、97年から経済改革プログラムを実施、民間部門が成長しだした2000年以降はプラス成長に転じた。07年1月、EU(ヨーロッパ連合)加盟を実現した。個人消費の拡大や、金融、自動車などでの海外直接投資の増加で好調をたもってきたが、08年からの世界的な金融危機がルーマニア経済にも大きな影響をあたえている。
| 1. | 農林水産業 |
国土の43%(2005年推計)が耕地と長期作付用地に利用されており、農業などの第1次産業従事者は労働人口の32%(2005年)を占める。1980年代半ばには農地全体の約90%が集団化されていた。重工業優先の政策のもとで農業投資は削減され、80年代には食料不足が深刻化した。90年代以降、政府は脱集団化をすすめた。
おもな農作物は、トウモロコシ、コムギ、ライムギ、テンサイ、ジャガイモ、ブドウ、果実類である。ワイン生産も主要産業のひとつとなっている。
国土の26.7%(2005年推計)をおおう森林は国有地である。黒海とドナウ・デルタはチョウザメ漁で知られており、ほかに大西洋でもマグロ漁などをおこなっている。
| 2. | 鉱工業 |
おもな鉱物資源は石油で、プロイエシュティが石油産業の中心であるが、産出量は減少している。1980年代初めに黒海の油田が発見されたものの埋蔵量が枯渇しつつあり、現在では石油を輸入している。カルパティア山脈には岩塩が豊富で、トランシルバニアアルプス西部では瀝青炭と鉄鉱石を産する。
第2次世界大戦後、機械・化学を中心に重工業に比重をおいた工業化を急速にすすめてきた。鉄鋼の生産は1990年代に入って電力不足や原料不足のため減少した。ほかに化学肥料、セメント、ラジオ、テレビ、自動車、加工食品、ゴム製品、繊維製品などが生産される。
| 3. | エネルギー |
総発電量は517億kWh(2003年推計)。そのうち火力発電が60%(2003年推計)、水力発電が31%を占める。セルビアと共有するドナウ川の鉄門ダムはヨーロッパ最大級のダムで水力発電の要(かなめ)である。1980年代には石油など燃料の多くが貿易収入をふやすため輸出にまわされ、慢性的なエネルギー不足により国民はエネルギーの節約を強いられていた。96年にチェルナボーダ原子力発電所1号機が運転を開始し、火力発電の占める割合は減少した。
| 4. | 通貨と外国貿易 |
通貨単位はレイ(単数はレウ)。レイは1991年から市場と連動している。国立銀行が発券銀行で、すべての国家事業の財政運営を監督する。2005年7月に1万レイ=1新レウのデノミを実施した。
1940年代半ばから80年代まで外国貿易は国家が独占していたが、低迷する経済を活性化させるため、93年に貿易が自由化された。輸出総額は235億米ドル(2004年)。おもな輸出品は、機械類、電気・電子機器、繊維製品、金属製品、靴など。輸入総額は327億米ドル(2004年)で、おもな輸入品は、機械類、電気・電子機器、石油・石油製品、自動車、化学製品などである。貿易相手国は、イタリア、ドイツ、フランス、ロシア連邦、トルコなど。
| 5. | 交通とコミュニケーション |
おもな港湾は黒海沿岸のコンスタンツァ、ドナウ川下流のガラツィ、ブライラなどにある。ジュルジュは、プロイエシュティ油田からのパイプラインをもつ河川交通の要衝。1984年開通の運河により、コンスタンツァとドナウ川の港町チェルナボダがむすばれた。92年にはマインドナウ運河が完成し、ライン川を経由して黒海から北海への輸送が可能になった。
国営タロム航空と民間のラル航空が、ブカレストと国内および海外の主要都市とをむすんでいる。
郵便、電信電話は国営である。新聞は地方紙が主体で、国内に居住するさまざまな民族の言語による新聞や雑誌も数多く出ている。1989年のチャウシェスク政権の崩壊後、日刊紙がふえた。主要紙は、アデバルル(真実)、エベニメントゥル・ジレイ(今日のできごと)など。