証券取引所
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証券取引所
VIII. 世界の主要な証券取引所

世界の証券取引所を2004年末時点の時価総額で比較してみると、1位がニューヨーク証券取引所で約12.7兆ドル、2位が東京証券取引所で約3.5兆ドル、3位がロンドン証券取引所で約2.8兆ドルとなっている。取引所市場だけでなく店頭市場も比較の対象にふくめると、アメリカのナスダックが約3.4兆ドルで、東京証券取引所とほとんどかわらないことがわかる。これを04年の株式売買代金で比較してみると、1位がニューヨーク証券取引所(約11.5兆ドル)、2位がナスダック(約8.6兆ドル)、3位がロンドン証券取引所(約5兆ドル)、4位が東京証券取引所(約3兆ドル)の順であり、アメリカの株式市場に世界の投資資金が集中していることがわかる。

経済のグローバル化の時代をむかえ、世界の証券市場は統合・再編の動きが活発化している。2000年にはパリ証券取引所、アムステルダム証券取引所、ブリュッセル証券取引所の3つが合併してユーロネクストが誕生した。ユーロネクストはその後、ロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)やリスボン証券取引所を吸収して拡大。06年にはフランクフルト証券取引所との合併交渉がもたれて不発におわったものの、07年にニューヨーク証券取引所との合併をはたした。また、ナスダックはロンドン証券取引所の買収をねらい、TOBをしかけたが、これは失敗におわった。

1. ニューヨーク証券取引所

1792年に証券ブローカーによってはじめられ、1817年に取引所組織を確立したニューヨーク証券取引所は、アメリカでもっとも歴史が古く、かつ世界で最大の証券取引所である。英文はNew York Stock Exchange(NYSE)。ニューヨークのウォール街にある。ロンドン、東京とともに世界3大証券取引所と称せられるが、他の証券市場への影響力は圧倒的に大きく、そこでの株価動向が世界の株式市場にただちに波及する。GE、コカ・コーラ、IBMをはじめ、アメリカを代表する伝統ある企業が数多く上場している。

売買制度としては、オークション方式とマーケット・メーク方式の折衷であるスペシャリスト方式が採用されている。1銘柄につき1人のスペシャリストがわりあてられ、大口の売買注文に対しては、スペシャリストが自己勘定で取り引きに応じる。一方、小口の売買注文は、スーパードット(SuperDot)システムとよばれる小口注文執行システムを利用してスペシャリストのブック(指し値注文の控え)に電子的におくりこまれ、そこで機械的に処理される。

2007年4月にヨーロッパのユーロネクストと合併してNYSEユーロネクストが誕生。東京証券取引所をはじめとするアジアの証券市場との提携にも力をいれている。

2. ナスダック

電子ネットワークを通じて取り引きされるアメリカの株式店頭市場。英文はNASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotation)。伝統的な意味での証券取引所ではないが、世界で最初の電子証券取引所として位置づけられている。もともとナスダックという言葉は、アメリカ証券業協会(NASD:The National Association of Securities Dealers, Inc.)が1971年に開設したコンピューターを利用した売買システムをさしていたが、現在では、これをつかった電子市場をさす言葉となっている。

NYSEとくらべて公開基準がゆるく、ハイテク関連などのベンチャー企業が株式を公開し、資金調達をおこなっている。日本のジャスダックに似ているが、日本のように、ジャスダックに上場した企業が成長してくると東証に上場先を変更するという動きはあまり一般的でなく、世界的に有名になったマイクロソフト、インテル、Yahoo!などが現在でも同市場で取り引きされている。

売買制度としては、マーケット・メーク方式が採用されている。顧客との取り引きは店頭での相対取引だが、NASDの管理下にある気配自動通報システムを介して、複数のマーケット・メーカーが競争的に気配を表示している。電子ネットワークを利用して注文が処理されるので、NYSEとは対照的に、一瞬のうちに大量の取り引きの処理が可能である。

3. ロンドン証券取引所

ロンドンの金融中心地シティにあるヨーロッパ最大の証券取引所。英文はLondon Stock Exchange(LSE)。イギリスでは17世紀末頃からさまざまな証券取引がおこなわれるようになり、証券業務を専門にいとなむ業者が登場しはじめていた。そうした中、1698年、彼らのたまり場であった「ジョナサンズ」というコーヒー・ショップではじめて組織的な証券取引がおこなわれたという記録がある。そして、1773年、150人の株式仲買人が「ニュージョナサンズ」で組合を結成し、名称を証券取引所に変更したのが、今日のロンドン証券取引所のはじまりといわれている。

イギリスでは、1986年に思いきった証券市場改革(いわゆるビッグバン:金融制度改革)がおこなわれ、市場参加者にとって使い勝手のよい市場にむけて徹底的な整備がなされた。その結果、株式市場は順調に拡大し、とくに外国株式取引が急速に拡大した。現在では、本国をのぞいて60をこえる国々から480以上の企業が上場し、世界でもっとも国際的な証券取引所となっている。

売買制度としては、マーケット・メーク方式が採用されている。ビッグバン以降、立会場の取り引きは廃止され、コンピューター端末と電話をつかって取り引きをおこなうスクリーン取引に移行している。SEAQ(Stock Exchange Automated Quotations)とよばれる証券取引自動表示システムであるが、同取引所に上場されていない外国株式でも、気配を提示するマーケット・メーカーが存在すれば、同様のシステムが適用され、取り引きが可能となる。現在、日本株は本国市場の約5分の1がロンドン証券取引所で取り引きされている。

4. ユーロネクスト

2000年9月にパリ証券取引所、アムステルダム証券取引所、ブリュッセル証券取引所が合併して設立された。合併後の各証券取引所は、それぞれユーロネクスト・パリ、ユーロネクスト・アムステルダム、ユーロネクスト・ブリュッセルとなった。01年にロンドン国際金融先物取引所を買収、02年にはリスボン証券取引所(ユーロネクスト・リスボンと改称)と経営統合し、ロンドン証券取引所に匹敵する規模にまで拡大した。さらに07年4月にはニューヨーク証券取引所をかかえるNYSEグループと経営統合して新会社NYSEユーロネクストを発足させ、アメリカとヨーロッパ両方にまたがる巨大証券市場が誕生した。