証券取引所
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証券取引所
II. 証券取引所の役割

企業や政府が新規に有価証券を発行して長期の資金を調達する場を発行市場という。国民の貯蓄を投資にふりむける場として、発行市場は重要な役割をはたす。しかし、発行市場だけでは、貯蓄資金を有価証券のかたちで運用しようと考えている人々(以下、投資家という)は、安心して購入することができない。なぜなら、満期の長い有価証券を購入したら、いざ資金が必要になったときに換金できないからである。つまり、流動性に対する懸念がある。そこで、既発行の有価証券を売買する場である流通市場が必要となる。流通市場が発達していれば、投資家は保有有価証券を他の投資家に転売するかたちでいつでも換金できるので、形式上の満期にこだわる必要がなくなる。

流通市場を直接的にささえているのは、証券会社である。証券会社は、ブローカーとして売り手と買い手をむすびつけたり、ディーラーとして売り手(買い手)の取引相手をつとめたりしている。しかし、証券会社だけではそうした業務に限界があり、有価証券の流動性はじゅうぶんに高まらない。そこで登場してくるのが証券取引所である。証券取引所は、高度に組織化された取引所市場を開設し、会員の証券会社をとおしてそこに大量の売買注文を集中させる。それにより、有価証券の流動性を高め、取り引きの円滑化に貢献している。

証券取引所のはたしている役割はそれだけではない。市場での取り引きを監視することで、需給を反映した公正な価格を形成し、その価格を開示するという重要な役割もはたしている。価格が公正に形成されているという信頼性がゆらいだら、投資家は安心して有価証券投資に参加しようとはしないであろう。