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| V. | 上場制度 |
株式や債券などの有価証券ならだれが発行したものでも上場されるというわけではない。証券取引所は、投資家保護の観点から、上場審査基準や上場廃止基準をもうけている。
| 1. | 上場審査基準 |
証券取引所は、有価証券の発行者から上場申請があると、上場審査基準をみたしているか否かを審査する(発行者が政府の場合には審査はおこなわれない)。審査の結果、基準をみたしていることが判明すると、証券取引所は当該有価証券の上場を承認し、内閣総理大臣への届け出をおこなったのち、上場する。
東京証券取引所第1部または第2部に上場する株式についていうと、東京証券取引所はまず、形式要件(上場株式数、株式の分布状況、上場時価総額、設立後経過年数、株主資本の額、利益の額などの数値基準)をみたしているか否かを審査する。形式要件をみたしたものについて、今度は、企業内容などの開示を適切におこなうことができる状況にあるか、事業を公正かつ忠実に遂行しているかなどの実質要件をみたしているか否かを審査する。その結果、上場が適当とみとめられた株式が上場されることになる。
なお審査基準は、1部、2部、新興市場によってことなり、1部がもっともきびしく、新興市場がもっとも緩やかである。多くの株式会社に資金調達の機会をあたえる一方、投資家には上場会社の信頼度の判断を提供する仕組みとなっている。
| 2. | 上場廃止基準 |
証券取引所は、上場有価証券が上場廃止基準に該当する恐れが生じた場合、市場の混乱をさけるために一定の措置をとったうえで、審査をおこなう。審査の結果、廃止基準に該当していることが判明すると、当該有価証券の上場廃止を決定し、内閣総理大臣への届け出をおこなう。たとえば、東京証券取引所の上場株券の場合、廃止基準に該当する恐れが生じると、投資家に周知するために当該株券を監理ポストにわりあてる。そして、上場廃止が決定されると、それを整理ポストにうつし、一定期間(原則として1カ月)売買をみとめたのち、上場廃止にする。
上場廃止基準の内容であるが、東京証券取引所の上場株券を例にとると、たとえば、少数特定者(役員など)の持株数が上場株式数の75%超の場合(猶予期間1年)、同じく90%超の場合(猶予期間なし)、株主数が一定人数未満の場合(猶予期間1年)、上場時価総額が10億円未満の場合(猶予期間9カ月)、有価証券報告書等に虚偽記載があり、その影響が重大であると取引所がみとめた場合、銀行取引停止処分をうけた場合などに、上場廃止となる。