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| VI. | 売買制度 |
取引所市場で売買をおこなうことを売買立会(たちあい)取引という。売買立会取引は、市場の休業日をのぞいて、一定の時間におこなわれる。東京証券取引所を例にとると、取引時間帯は、午前9時から11時までの午前立会(いわゆる前場:ぜんば)と、午後0時30分から3時までの午後立会(いわゆる後場:ごば)の2つにわけられる。東京証券取引所では、売買立会取引のほかに、上記時間帯の前後一定の時間におこなわれる立会外取引(時間外取引)というのもあり、立会外分売がおこなわれている。
注文の仕方には、指し値注文と成り行き注文の2つがある。前者は、売買する際に、買いたい値段、売りたい値段を指定して出す注文のことである。後者は、値段を指定せずに出す(つまり相場の流れにまかせる)注文のことである。
売買契約の締結方法には、伝統的なオークション(競争売買)方式と、比較的歴史の浅いマーケット・メーク(値付け)方式の2つがある。売買契約が成立したときの価格を約定(やくじょう)値段というが、これらは約定値段の決定方式といってもよい。
| 1. | オークション(競争売買)方式 |
オークション方式とは、取引所の会員が顧客の注文をもちより、価格優先と時間優先という2つの原則にもとづいて、買い注文と売り注文の付き合わせをおこなう仕組みである。価格優先の原則とは、もっとも価格の高い買い注文と、もっとも価格の安い売り注文が、他の注文より優先されるという原則である。時間優先の原則とは、同じ価格の注文であれば、先に出された注文が後に出された注文より優先されるという原則である。こうして、優先順位の高い買い注文と優先順位の高い売り注文をつきあわせ、価格でおりあったときに、その価格を約定値段として売買契約が成立する。
以上がオークション方式の一般的な説明であるが、東京証券取引所では、取り引きの時間帯によって、この方式はさらに板寄せ方式とザラバ方式にわけられる。板寄せ方式は、(1)立会開始時の約定値段、(2)売買中断後の最初の約定値段、(3)立会終了時の約定値段、を決定するときに採用される。具体的には、買い注文と売り注文を優先順位の高いものから順次つきあわせていき、売り注文数と買い注文数がちょうど一致する価格をもとめ、それを単一の約定値段として売買契約を締結させる方法である。したがって、一定時間内にきまる約定値段は1つだけとなる。
一方、ザラバ方式は、立会開始時の約定値段が決定されたあと、立会終了時まで継続的におこなわれる売買契約の締結方法である。具体的には、新たに買い(売り)注文が発せられるたびに、既存の優先順位の高い売り(買い)注文とつきあわせ、価格面で折り合いがつきしだい、それを約定値段として売買契約を締結させる方法である。したがって、取り引きごとにことなった約定値段が成立しうる。
| 2. | マーケット・メーク(値付け)方式 |
マーケット・メーク方式とは、値付けしたい銘柄を事前に届け出て承認された証券会社(マーケット・メーカーとよぶ)が、当該銘柄に対して、売り気配、買い気配、各気配での売買可能株数を常時提示し、市場参加者の売買注文に応じて自己勘定で取り引きをおこなう仕組みである(気配とは希望する値段のこと)。マーケット・メーカーは常に売り・買い両気配を提示し、売買注文にはかならず応じなければならないので、取り引きが不活発なときや注文が売り一方または買い一方となってしまったときでも、流動性が確保されることになる。