硫黄
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硫黄
IV. 製法

地殻から遊離硫黄を採掘するにはいくつかの方法がある。イタリアでは、硫黄をふくむ岩石を傾斜面に大量につみかさねて火をつけ、熱によってとけた硫黄を木型にながしこみ、そこで固化させるという方法がおこなわれていた。アメリカの大規模な硫黄鉱床が存在する地域では、フラッシュ法という採掘法がもちいられていた。これは、鉱床中にパイプをとおして高熱蒸気を注入し、硫黄を溶融させて地上にすいあげるというものであった。現在では、天然ガス中にふくまれる硫化水素の一部を空気で燃焼し、生じた二酸化硫黄と残りの硫化水素で硫黄を生成するクラウス法とよばれる硫黄回収法がカナダやアメリカ、ロシアなどで大規模におこなわれている。また、石油中の硫黄を水素処理によって硫化水素にかえて、クラウス法と同様な方法で硫黄を製造することもおこなわれている。

日本では、火山の火口周辺に露出した硫黄の採取が古くからおこなわれており、8世紀ころの続日本紀にも相模や信濃、陸奥などの国から朝廷に硫黄が献上されたと記されている。明治期から本格的な採取がおこなわれていたが、昭和30年代以降は、回収硫黄とよばれる、重油の脱硫や廃ガスの排煙脱硫などにより硫黄を抽出する方法にかわった。