検索ビュー イチョウ

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イチョウ
I. プロローグ

中国原産の落葉高木。裸子植物である。中国では銀杏のほか、公孫樹とも書く。また葉の形がカモの脚に似ていることから鴨脚樹ともいったが、この中国語を日本人がヤーチャオと聞いたことから、やがてイチョウとよぶようになったと、大槻文彦が「大言海」でのべている。イチョウの仲間は古生代末に出現し、主として中生代ジュラ紀に世界各地で繁茂した。現存する唯一の種であるイチョウは、メタセコイアとともに「生きている化石」として知られている。

II. 古生物のイチョウ

中生代には同じ目(もく)の植物がほかにも多くあり、化石種(化石)では7属が報告されているが、中生代末に急速に衰退し、現在、生きのこっているのはイチョウ1種だけである。葉は上に種子をつけ、鞭毛をもった精子をつくるなど、シダ植物に似たところがある。研究の結果、針葉樹よりむしろソテツに近縁の植物であることがわかった。日本の三畳紀やジュラ紀層からも化石が発見されている。

III. イチョウの性状

高さは10~40mになる。葉は扇形で、葉脈は付け根から先まで二またに分岐をくりかえし広がっている。大きな枝から、短枝というひじょうに生長のおそい小さな枝を出し、そこに毎年、葉をつける。雌雄異株で、雌花と雄花は別の木につく。

日本での花期は4月。雄株のつける花粉は風にはこばれ、雌株は秋に異臭のする肉質の外種皮におおわれた種子をつける。このため、雌株は観賞用にはこのまれない。中華料理や日本料理では、銀杏(ぎんなん)とよばれる種子が珍重される。

IV. 園芸種

イチョウは公園や庭園によく植えられる。大気汚染、日照不足などの都会の悪条件にも強いため、大都会の街路樹としても植えられる。

このような多角的な利用のため、さまざまな園芸品種がつくりだされてきた。トウガタイチョウ、シダレイチョウ、オハツキイチョウ、チチイチョウ、キレハイチョウ、フイリイチョウなどである。

V. 聖なる木

中国では古代から聖なる木とされ、寺院の庭で保護されてきた。そのため絶滅しなかったというのが植物学者の定説だったが、近年、中国西部の峡谷で野生のイチョウが発見されている。

日本でもイチョウは信仰と深くむすびついた木として大切にされ、各地の神社や寺に巨樹がみられる。国指定の天然記念物にも20本をこえるイチョウの名木がある。

分類:イチョウ科イチョウ属。イチョウの学名はGinkgo biloba