| 検索ビュー | エチレン | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
炭素同士の二重結合をもつ脂肪族有機化合物をアルケン(オレフィン系炭化水素)というが、エチレンはそのもっとも簡単なものである。おもに石油化学工業(→ 化学工業)の基本的な原料となる。無色でかすかにあまい匂(にお)いのする気体。水にとけにくく、石油の熱分解(→ クラッキング)や分別蒸留のほか、天然ガスから大量に製造される。天然ガスを原料とする例はアメリカやカナダに多い。もえるときには明るい炎を出す。二重結合をもっているため化学的に反応しやすく、塩化エチル、臭化エチレン、エチレングリコール、ポリエチレンなどをたやすくつくることができる。
分子式C2H4。分子量28.05。融点-169°C。沸点-103.9°C。
| II. | 用途 |
1950年代後半から高度経済成長の時代にかけて、日本の各地に建設された石油化学コンビナートの中心は、ナフサからエチレンを生産するプラントであった。58年(昭和33年)にスタートした岩国・大竹から、四日市をへて鹿島臨海工業地域にいたるまでのコンビナートのエチレン生産は、石油化学工業の基本となった。
エチレンの用途はさまざまだが、代表的なのは、日常生活でもなじみの深いポリエチレン、塩化ビニルの原料である。エチレンは、正常に発育している植物からも放出され、果実の成熟を促進するホルモンの一種である。活性炭や沸石(ゼオライト)などのガスを吸着する物質とともに、野菜や果実をビニル袋などにつめておくと腐敗(→ 腐敗と分解)しにくくなるのは、主としてエチレンの濃度が低下するためである。