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| II. | ナチズムの起源と勃興 |
ナチズムは、多くの点でイタリア・ファシズムと似ているが、次のようなドイツ的特殊性をもっている。1つはプロイセンの伝統である軍部の権威主義と対外膨張主義、2つにはドイツ・ロマン主義の伝統である反合理主義・反自由主義・反民主主義、3つ目は北方民族(いわゆる純粋アーリヤ民族)は肉体的・道徳的・文化的に優秀であるとする人種論、そしてもうひとつは国家を理想化し、すぐれた個人を賛美し、因習的束縛から解放するドイツ哲学の伝統である。
こうしたドイツ的思潮の上に、次のような理論が積み重ねられた。地政学者ハウスホーファーは、ドイツ外交に大きな影響をあたえた民族の生存圏という考えをうちだした。ナチ党の理論家ローゼンベルクは、ドイツに帰化したイギリス人チェンバレンの理論を利用して、ナチスの人種理論をつくりあげた。