染色
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染色
II. 歴史

染色の歴史は糸をつむぐ技術と同じくらい古く、前2000年以前から古代エジプトやペルシャ、中国、インドなどで、昆虫、植物、貝、鉱物などの天然物を原料として、染色がおこなわれていた。

1. 古代の染料

古代の原料には、赤色染料のアカネの根や、青色染料のアイがある。ローマ帝国時代初期には、地中海の貝からとった紫色の染料ティリアン・パープルでそめた衣服を、皇帝一族や貴族が着用していた。4世紀にいたるまで、ティリアン・パープルは貴重で、その色は身分の高さを象徴するものであった。

2. 染色技術の発展

10世紀に黄色染料のサフランがスペインにつたえられ、ついで13世紀に地衣類の一種からつくられた紫色染料のアキルが発見されて以後、染色技術の進歩がはじまり、発見地のイタリア北部は、ヨーロッパでの染色の中心地となった。

3. 大航海と染料

16世紀になると、探検家たちがコチニールカイガラムシ(カイガラムシ)からとれるコチニールや、ロッグウッドなどの染料をアメリカ大陸からもちかえった。ほかにも、クエルシトロン、ホザキモクセイソウ、フスチック、スオウ、ベニバナ、アイ(インディゴ)などの原料があった。1540年には、ヨーロッパで最初の染色解説書がロセッティによって書かれている。

4. 合成染料の開発

1856年にイギリスの化学者パーキンは、コールタールからつくられるアニリンを酸化して藤色の染料モーブを合成、大量生産する方法を開発した。以後、多くの合成染料が開発され、天然染料の使用はかぎられたものとなった。

5. 日本古代の染色

日本でも、すでに弥生時代には染色がおこなわれていたと推定され、魏志倭人伝には、2世紀初めに倭の女王から染色した布が魏王におくられたと記述されている。603年に制定された冠位十二階には、身分に応じた6色の衣服が規定されているが、これは、染色技術が進歩したことを裏づけている。