| ダム | 項目ビュー | ||||
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| IV. | 設計上の考慮 |
ダムは、水がもれないもので築造されなければならない。漏水があると、水がむだになり、土台が損傷する。ダムは、水圧に対抗できるような方法で建設されなければならない。技術者がダムを設計する際には、ダムを下にひきさげようとする重力、ダムの本体(堤体:つつみたい)の壁にかかる水圧、ダム底面にはたらく上向きの水圧(揚圧力)、さらには地震の影響や地球の力などを考慮しなければならない。
ある場所をダムの建設用地として検討する場合は、地質調査の一環として、地震による被害を考慮しなければならない。また地質学者は、地盤がダムの重さとその背後にかかる水の圧力をささえられる強度をもっているかどうかも判定しなければならない。
不十分な地質調査の結果、深刻な被害をもたらした事例がある。そのもっとも有名な例は、イタリア・アルプスにあるバイオント・ダムでおきた災害である。1960年に完成したバイオント・ダムは、堤高が262mで当時世界1位の堤高をもつアーチダムだったが、63年10月9日に、ダムの背後にある大きな岩山が地すべりをおこして大量の岩や土砂が貯水池におち、コンクリート・アーチ式ダムをこえて水があふれだし、2000人以上の命がうばわれた。この高さから落下する巨大な水のかたまりは、数キロメートルもはなれた下流の町を一瞬にしてのみこむほどの力をもっていた。この事例は、地質調査や水圧試験の不備をしめしている。いろいろな原因で岩石崩壊がおこるが、急勾配(こうばい)で不安定な岩石の斜面が、ダムの水によって浸食されることが大きな原因となる。なお、バイオント・ダムはこの事故後、ダムとしては放棄された。