| 銅 | 項目ビュー | ||||
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| II. | 特性と用途 |
電気伝導性と熱伝導性が高い、展性・延性(→ 延性)にとみ加工が容易である。見た目がうつくしい、など数多くの長所があるため、銅はさまざまな用途に利用されてきた。高い電気伝導性をもち、延性にとむのでひきのばして針金状に加工でき、電線の材料としてよくつかわれる。引っ張り強さも大きいので、銅線は、野外の送電線、海底電線や、家庭の配線、電灯線として、また発電機、モーター、制御装置、信号装置、電磁石、通信機といった電気・電子機器の配線に利用される。
有史以来、貨幣金属として流通し、また調理器具、容器、装飾品などの素材に利用された。電気めっきが容易であり、銅めっきやクロムなどほかの金属めっきをほどこすための下地めっきとして利用される。めっき用に消費される銅はかなりの量になる。
銅鉱石から銅をとりだす方法は、鉱石の組成によってさまざまである。あまり多くないが、自然銅は粉砕され、選鉱されたのち地金に鋳造される。多くは黄銅鉱CuFeS2などの硫化物やクジャク石(孔雀石)Cu2(OH)2CO3として産出する。硫化物の鉱石はシリカをくわえて鉄をのぞき、コークスなどで還元(→ 化学反応)して精錬する。純度の高い銅をえるには、硫化物の鉱石を電気分解して還元する。
純粋な銅はやわらかいが、加工によってある程度までかたくできる。銅合金(→ 合金)にした場合、強度や硬度は純粋な銅よりも高くなるが、電気抵抗がますので電気関係の用途に適さなくなる。銅合金は工作機械で簡単に加工できる。よく知られている銅合金は、亜鉛との合金の黄銅やスズとの合金の青銅である。金、銀、ニッケルなども銅合金に利用されており、砲金(銅、スズ、亜鉛)、洋銀(銅、亜鉛、ニッケル)などの合金の成分となる。
銅には2つの系統の化合物がある。1つは第一銅化合物で、1価の原子価をもつ。もう1つが第二銅化合物で、原子価は2価である。第一銅化合物の多くは空気にさらされただけで酸化され、第二銅化合物に変化する。工業的には、第一銅化合物の重要性は小さい。第二銅化合物は安定な物質である。ある種の銅溶液にはセルロースを溶解する作用がある。天然セルロースから再生繊維を製造するレーヨン工業では、大量の銅をセルロースの溶解に使用する。緑青(ろくしょう)の名で知られる銅化合物は青緑色の顔料となる。近年は有機系の薬剤にかわりつつあるが、ボルドー液などの殺虫剤や殺菌剤にも、銅がつかわれている。