対位法
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対位法
II. 模倣対位法

対位法には、模倣的なものと、そうでないものがある。模倣対位法では、さまざまな声部が1つの旋律型あるいは旋律動機を共有し、カノンにみられるようにたがいに模倣しあう。模倣対位法は主としてカノンとフーガでもちいられ、西洋音楽史においては、特定の時代(おもに16~18世紀)を特徴づける技法となっている。模倣的でない対位法では、各声部がそれぞれ独自の旋律動機をもつ。

模倣対位法の特徴は次のようなものである。

(1) 2つ目以降の声部は、輪唱のように、初めの声部と同じ音で開始することも、それよりも、高い、または低い音ではじめることもできる。(2) 2つ目以降の声部は、初めの旋律を正確に模倣することも、変形することもできる。(3) 応答声部では、初めの旋律を「拡大」「縮小」することがある。これはリズムをかえずに、音符の長さをかえることである。(4) 2つ目以降の声部が、ときには初めの旋律がおわる前にはじまる。このように声部の入りが重なる技法を、ストレットとよぶ。(5) 応答声部で、もとの旋律の進行を鏡にうつした場合のように完全に逆にすること、たとえばもとの旋律で上行するものを同じ音程のまま下行させることができる。このように、音の進行を反転させる技法を「転回」という。

譜例2(バッハ「フーガ」ハ短調の一部)に、これらの技法がみられる。