アルプス
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アルプス
IV. 自然環境

アルプスの谷間をふきおろす風として、異常な高温をもたらすフェーンがよく知られているが、その風上側には大量の雨がふる。年降水量が約3000mmに達する所もある。豊富な降水は森林をうるおし、ライン川、ローヌ川、ポー川、ドナウ川の支流であるイン川、ドラバ川といった西ヨーロッパの大河にながれこんでいる。

標高が高く、海洋性の気候や太陽の光線にさらされることが、アルプスの植生に大きな変化をおよぼしている。温暖なふもとの丘陵地帯には、カシ、シデ、マツの木が生いしげり、北イタリアの湖水地方にひらけた谷には亜熱帯性の植生がみられる。そこから少しのぼるとブナ林があらわれ、標高が高くなるにつれてモミ、トウヒの林にかわる。ヤマカエデ、トウヒ、カラマツの林は樹木限界線までひろがっている。標高1800mをこすと樹木は姿をけし、万年雪の境界まではツンドラと高山植物の世界となり、シャクナゲ、エーデルワイス、スゲ、ナナカマド、ハイマツがみられる。植物のそだつ短い夏の3、4カ月間、この地帯はきわめて色鮮やかになる。

雪線より下の人里はなれた高地には、アイベックス、アルプスカモシカ、ウッドチャック、ライチョウ、ヤマネ、コクマルガラスなどの動物が生息している。