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真空
I. プロローグ

厳密にいうと、すべての物質が排除された空間のことである。実験室で完全な真空をつくりだすことは不可能である。いかに真空ポンプなどが発達しても、つくられた真空の中にいくらかの分子がのこされている。はるか遠い宇宙空間でも、微量の気体が存在している。

物理学などで真空とは、水銀柱にして760mmという通常の大気圧よりも、圧力が低い空間の意味でつかわれる。

II. 真空をつくる

真空をつくるためには、容器から空気を真空ポンプでかいだして物質を排除する(真空技術)。空気が排除されるにつれて、真空容器の壁をうつ空気分子の数は少なくなり、容器内の圧力は低くなる。科学実験室では、真空容器の強度を強くしておかなければならない。容器の中の圧力がひじょうにさげられたとき、容器の外側の大気圧が容器をおしつぶす可能性があるからである。現在は水銀柱で10-14mmの低圧の真空をつくりだすことができる。このきわめて低い圧力においても、1cc中にまだ数百の分子が存在している。ちなみに大気圧では1cc中に1019の空気分子が存在している。

III. 用途

真空は実用的な用途が多くある。真空掃除機は機械内部に真空をつくり、大気圧によって空気がホースをとおって機械内部におしこまれてゆく仕組みである。空気といっしょにごみなどが掃除機の中にはいる。電球は内部が真空になっており、空気がないので、加熱されたフィラメントと反応し燃やしてしまうことをふせいでいる。また、真空は熱の伝達をさまたげる絶縁作用をもっているので、魔法瓶の内部の二重壁の間は真空にたもたれている。