| カナダ | 項目ビュー | ||||
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| II. | 国土と資源 |
国土の最北端は北緯83度6分のエルズミア島のコロンビア岬、最南端は北緯41度41分のエリー湖中のミドル島である。最東端は西経52度37分のニューファンドランド島のスピア岬であり、最西端は西経141度でアメリカ合衆国のアラスカ州とユーコン準州との国境線にあたる。海岸線の総延長は20万2080kmで、湾と半島が複雑にいりくんでいる。
北極海諸島のほかにも沿岸には多くの島々があり、島嶼部(とうしょぶ)の海岸線の総延長は18万5290kmに達する。大きな島としては、東海岸のニューファンドランド島、ケープブルトン島、プリンスエドワード島、アンティコスティ島、西海岸のバンクーバー島、クイーンシャーロット諸島などがある。ハドソン湾にはサウサンプトン島と多くの小島がある。
| 1. | 地形 |
北極海諸島をのぞいて、国土はカナダ楯状地、アパラチア地域、五大湖-セントローレンス低地、内陸平原、コルディエラ地域の5つに区分できる。
カナダ楯状地はローレンシア台地ともよばれており、国土の半分以上を占める地域である。ハドソン湾を中心として北から東にかけて広がり、ラブラドル半島全域、ケベック州の大部分、オンタリオ州北部、マニトバ州、そしてヌナバット準州の大部分がふくまれる。基盤岩は先カンブリア時代の古い花崗岩などでできており、氷河作用を強くうけた地形である。
楯状地の南東側にはアパラチア地域と五大湖-セントローレンス低地がある。アパラチア地域はアメリカのアパラチア山脈と大西洋海岸平野の北への延長部にあたり、ニューファンドランド島とノバスコシア州、ニューブランズウィック州、プリンスエドワードアイランド州、ケベック州のガスペ半島にまたがる。五大湖-セントローレンス低地はケベック州南部とオンタリオ州南部の地域で、おおむね平野となる。ここには広大な農地が広がり、またカナダの大部分の工業が集中している。
カナダ楯状地の西には、アメリカのグレートプレーンズの延長である内陸平原が開けている。平原の幅は、アメリカとの国境付近では約1300kmだが、北のグレートベア湖近辺では約4分の1に狭まり、さらに北の北極海沿岸のマッケンジー川河口ではふたたび約500kmに広がる。ブリティッシュコロンビア州の北東部からアルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州西部にかけて広がっており、国内でもっとも肥沃(ひよく)な土地の大部分がある。
内陸平原の西はコルディエラ山系の高地である。コルディエラ山系は、南アメリカ大陸南端から北アメリカ大陸北西端のアラスカまでのびる雄大な山脈の連なりで、カナダでの幅は約800km。東部には、主脈のロッキー山脈をはじめ、マッケンジー山脈、フランクリン山脈、リチャードソン山脈がある。カナディアンロッキーの最高峰はロブソン山(3954m)で、そのほか標高3500mをこえる峰が10ある。
カナディアンロッキーの西側は、カリブー山地やセルカーク山脈などの孤立した山脈および広大な高原となる。西端には、合衆国のカスケード山脈からつづく海岸山脈が太平洋岸と並行してはしり、そのほか、いくつかの山脈が海岸沿いにある。この地域では、ユーコン準州南西端にあるセントエライアス山脈の標高がもっとも高く、カナダ最高峰のローガン山(5959m)、セントエライアス山(5489m)などがつらなる。
| 2. | 湖と河川 |
大陸部には湖沼や河川が多く、内陸水域は75万5180km²におよぶ。アメリカとの国境にある五大湖以外に、面積1300km²以上の湖や貯水池が31ある。
大きな湖としては、ノースウェスト準州のグレートベア湖、グレートスレーブ湖、ヌナバット準州のベーカー湖、同準州バフィン島のネティリング湖とアマジュアク湖、アルバータ州とサスカチュワン州にまたがるアサバスカ湖、サスカチュワン州のウォラストン湖、サスカチュワン州とマニトバ州にまたがるレーンディア湖、マニトバ州のウィニペグ湖、マニトバ湖、ウィニペゴシス湖、サザンインディアン湖、オンタリオ州のニピゴン湖とウッズ湖、ケベック州のミスタシーニ湖、ニューファンドランド・ラブラドル州のスモールウッド湖とメルビル湖がある。
おもな河川には、五大湖から流出しセントローレンス湾にそそぐセントローレンス川があり、オタワ川などの支流をもつ。セントジョン川はニューブランズウィック州とノバスコシア州にかこまれたファンディ湾にそそぐ。サスカチュワン川はウィニペグ湖に流入し、ネルソン川はウィニペグ湖から流出してハドソン湾にながれこむ。アサバスカ川、ピース川、レーブ川、マッケンジー川からなる水系は、北極海にそそいでいる。ユーコン川はアラスカをへてベーリング海に、フレーザー川とコロンビア川は太平洋にながれている。
| 3. | 気候 |
大陸部の一部と大部分の北極海諸島は寒帯に、それ以外の地域はおおむね亜寒帯に属する。極寒の北極圏から南部の温帯地域まで、気候は地域差が大きい。大西洋沿岸諸州(ニューブランズウィック州、ノバスコシア州、プリンスエドワードアイランド州)では、海洋の影響で冬の寒さと夏の暑さがやわらげられるとともに、霧と降水が多い。西海岸沿いでは、暖流としめった海風の影響により、1年を通じて温暖湿潤で、降水量が多い。
コルディエラ地域では、ロッキー山脈やセルカーク山脈など標高の高い山地の西斜面は雨と雪が多いが、東斜面と中央高原は極端に乾燥している。コルディエラ地域特有の気象現象は、チヌークとよばれる暖かい乾燥した西風で、ロッキー山脈の麓(ふもと)と周辺平原部のきびしい冬をやわらげ、しばしば気温の日較差が大きくなる。
| 4. | 植生 |
北部はツンドラ地帯が広がり、樹木はみられない。大西洋沿岸諸州は、かなりの部分が針葉樹と広葉樹の混合林におおわれている。大平原諸州(アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州)では、アメリカとの国境から北にむかいサスカチュワン川流域にいたるまで、ほとんど樹木はみられず草原地域となる。サスカチュワン川の北側には、ハドソン湾からグレートスレーブ湖やロッキー山脈にかけて、トウヒ、カラマツ、ポプラなどがまばらに生えているが、大きい樹木はそだたない。
ロッキー山脈の乾燥した東斜面や谷ではマツ類が多く、西にむかい降水量がふえるにつれて森林の密度は高くなり、樹木も大きくなる。とくに太平洋沿岸に近い海岸山脈の西斜面は常緑樹のうっそうとした森林でおおわれており、おもな樹種はトウヒ、アメリカツガ、ダグラスファー、バルサムモミ、バンクスマツ、スギなどである。
| 5. | 動物 |
カナダの動物相は北ヨーロッパやアジアと類似している。哺乳類は193種(2000年)が現存する。肉食動物としてはオコジョ、クロテン、クズリ、ミンクなどのイタチ類のほか、アメリカグマ、グリズリー(→ ヒグマ)、オオヤマネコ、オオカミ、コヨーテ、キツネ、スカンクなどがいる。ホッキョクグマ(シロクマ)は北極圏全域に生息しており、ピューマ(アメリカライオン)はブリティッシュコロンビア州でみられる。そのほか、ビーバーをはじめ、カナダヤマアラシ、マスクラット、ノウサギなど、小型のげっ歯類が多い。
バージニアシカには、カナダ南部の固有種が数種ある。オグロジカとエダツノレイヨウが、ブリティッシュコロンビア州や平原地域にすむ。ウッドランド・カリブー(カナダトナカイ)とアメリカヘラジカは数も多く、広く分布しているが、バーレン・グラウンド・カリブー(ホッキョクトナカイ)の生息域は北部にかぎられる(→ カリブー)。北部にはジャコウウシも生息する。ヘラジカとバイソンは西部でみられる。ブリティッシュコロンビア州の山地にはオオヒツジ、ロッキー山脈にはシロイワヤギが多い。鳥類は豊富で多様であり現存するのは426種。魚類は内陸水域だけでも177種いる。爬虫類と昆虫は、最南部をのぞいてほとんどいない。