| 検索ビュー | バナジウム | 項目ビュー |
| I. | プロローグ |
銀白色の金属元素。遷移元素に属する。1801年、アンドレス・M.デル・リオがメキシコで最初に発見したが、のちにクロム化合物の一種だとして撤回した。30年になって、スウェーデンの化学者N.G.セフストレームがこの元素を再発見し、北欧神話の美の女神バナジスにちなんでバナジウムと名づけた。
| II. | 性質と存在 |
際だった光沢があり、かたい。塩酸やアルカリ水溶液、希アルコールには不溶。硝酸、濃硫酸、フッ化水素酸(→ フッ化水素)などにはとける。常温の空気中では表面に酸化物の被膜をつくるだけだが、高温の空気中で酸化され、酸化の度合いに応じて褐色、灰色、黒色、暗赤色などに変化する。塩素とも反応し、塩化バナジウム(III)などになる。化合物には、そのほか三硫化バナジウム(III)、酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウムなどがある。
金属バナジウムは天然には存在しないが、バナジン石、カルノー石などバナジウム化合物をふくむ鉱石は、世界じゅうに分布している。
元素記号V。原子番号23。原子量50.9415。周期表の5族に属する。融点1917°C。沸点3420°C。密度6.11g/cm³(20°C)。地殻中の存在量は160ppm。安定同位体(→ 同位体)の質量数と存在比は51V(バナジウム51:99.75%)、50V(50:0.25%、天然放射性同位体)。
| III. | 用途 |
かたく、引っ張り強度(抗張力)が大きいので、鉄・バナジウム合金、ニッケル・バナジウム合金、クロム・バナジウム合金などの合金に利用される。クロム・バナジウム鋼はばね、工具類、自動車のエンジン部品に使用される。チタン・バナジウム合金はミサイルの外被、ジェット・エンジンのカバー、原子炉の構造材に利用される。酸化バナジウム(V)は、硫黄を酸化して硫酸をつくる触媒に利用されている(→ 接触法)。