宝石
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宝石
III. 3つの条件
1. 美しさ

宝石の美しさにはさまざまな種類がある。たとえば、ダイヤモンドの炎のようなきらめき、ルビーやラピスラズリなどの鮮やかな色の美しさ、みる角度によってさまざまな色が変化するオパール、内部から柔らかな光をはなつムーンストーン(長石)、ヒスイのもつ半透明性の微妙な輝きといったものがある。これらは、光がそれぞれの鉱物のもつ特有の屈折率と内部構造によってさまざまな現れ方をすることによる。

さらに、ルビーのスター効果、クリソベリルのキャッツアイ効果、サンストーン(長石)の火の粉のようなきらめきなどは、内部に別の鉱物が包有物として存在するためにおこる。宝石鉱物の多くは、産出したそのままの状態では、それほどうつくしくないので、鮮やかな色や輝きをひきだすためにカットや研磨をおこなう。

スター効果についてはルビー、キャッツアイ効果については猫目石を参照。

2. 希少性

宝石に美しさは当然の条件であるが、それに希少性がくわわって価値が高まる。宝石鉱物の中には、ふつうに産するものが少なくないが、とくに色や透明度にすぐれ、内部の傷がないといった条件をみたすものはまれである。たとえば、石英は地殻にひじょうに多く産するが、ほとんどは白から灰色の透明感が少ないものである。しかし、まれにうつくしいアメシストや色の変化にとんだ縞メノウ(メノウ)などがある。

また、産出量がもともと少ないものもある。ダイヤモンドはキンバーライト(橄欖岩)という特殊な岩石にふくまれているが、この岩石100t当たり5g(25カラット)ほどしか産出しない。品質がよく、大きいものはさらに希少性がまし、信じがたい価格がつけられる。宝石の市場価格は、色、内部の傷の程度、重さできめられる。重さは、カラットで表示され、1カラット=0.2gである。

3. 耐久性

宝石は長期間にわたって変質しないことと、簡単にこわれないことが必要条件である。鉱物には、滑石の1からダイヤモンドの10までの相対的な硬度(モース硬度)がきめられている。宝石としては、なるべくかたいほうがのぞましく、ふつうは石英の7かそれ以上の硬度の鉱物が対象となる。しかし、石英より硬い鉱物でも、衝撃によって簡単にわれてしまうことがある。これは鉱物を構成する原子の結合力が方向によってちがいすぎるためにおこる。トパーズやダイヤモンドなどでみられる平面的な割れ口がこの例で、これを劈開(へきかい:鉱物学)という。

ジルコン、エメラルドなどは劈開がないが、衝撃に対して比較的もろい。硬度が7かそれ以下であっても、ヒスイ、メノウなどひじょうに細かい結晶がからみあってできている鉱物は、きわめて頑丈である。