| タービン | 項目ビュー | ||||
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| II. | 水力タービン |
| 1. | 水車 |
もっとも古く、もっとも簡単な水力タービンは水車である。古代ギリシャではじめてつかわれ、その後、古代および中世ヨーロッパのほとんどの国で、穀物をひくために利用された。水車は、流れのはやい小川や水路におかれた放射状の羽根車に回転軸がとりつけられたもので、その出力はおよそ0.5馬力である。
水平水車(水平な回転軸が垂直な外輪にとりつけられている水車)は、紀元前1世紀にローマの建築家であり技術者であったマルクス・ビトルビアス・ポリオによってはじめて紹介されたものである。これはいわゆる、アンダーショット水車(下射式。下をながれる水の力でうごき、外輪をそなえた水車)であったが、2世紀ごろまでに、もっと効率のよいオーバーショット水車(上射式。上から落下する水でうごく外輪をそなえた水車)がつかわれるようになった。木造の水車の最高出力は、中世には、3馬力から50馬力に増大した。
| 2. | タービンへの改良 |
水車からタービンへの移行には大きな意味がある。水車の設計に関して、理論的な基礎をうちたてようとした最初の試みは、18世紀のイギリスの土木技術者ジョン・スミートンによるもので、彼は、オーバーショット水車のほうが、ずっと効率的であることを証明した。しかし、フランスの技術将校ジャン・ポンセットは、まがった羽根をもつアンダーショット水車を考案し、効率を従来の70%近く増大させた。
もうひとりのフランスの技術将校クロード・ブルディンは、回転速度の技術論の中で、タービンという用語をはじめて使用した。セント・エチエンヌの鉱山学校で、ブルディンのもとで勉強したベノイト・フォルニーロンは、フランスの鉄工所のために、60rpm(毎分の回転数)で50馬力の出力がある水車を設計し製作した。最終的に彼は、2300rpmでうごき、80%以上の効率で60馬力をだすタービンを開発した。
| 3. | フランシス水車 |
フォルニーロンのタービンは、すばらしい性能にもかかわらずある種の欠陥をもっていた。水が放射状に外側にむかって通過する結果、水流が減少したり負荷がなくなるのである。これに対し、イギリス生まれのアメリカの技術者ジェイムズ・B.フランシスは、水が内側にながれるタービンを設計した。この反動水車またはフランシス・タービンとよばれる水車は、10~100mの高さがある水柱に相当する水圧、または落差を利用する水力タービンとして普及した。この種のタービンは、羽根の通路を水が通過する際の圧力エネルギーを拡大することによって作動する。その結果、水車を回転させる接線方向の力、ないしは反動が生じるのである。
| 4. | ペルトン水車 |
90~900mの落差の水を利用できる装置として、アメリカの技術者レスター・ペルトンの名前にちなんだペルトン水車が、19世紀の後半につかわれるようになった。
この水車では、高い位置に貯蔵された水が、長い導水管または導水路を通じて噴出口にながされ、そこで落下エネルギーは高速の運動エネルギーに転換される。この高速流水がまがったバケットにむけられ、流れを180°近く転回させて運動エネルギーを生みだす。ペルトン水車の動作原理は、膨張する水の反動ではなくて、水車に対する流水の衝撃によるものなので、この種の水車は、衝動水車ともいわれている。
| 5. | カプラン水車 |
20世紀の初期に、水力発電に対する需要がますます増加し、3~9mの落差の小さいダムでも利用できる適当なタービンの必要性が高まった。1913年に、オーストリアの技術者ビクター・カプランが、はじめてプロペラ・タービン(カプラン水車)を提案した。
これは、基本的には、船舶のプロペラを逆回転させるのに似た動作をするものであった。カプランは、後にこのタービンを、羽根と軸のとりつけ角度が回転するように改良した。この可変ピッチの羽根は、水の落差または流量に対して羽根を最適角度にすることで、効率を改善した。
| 6. | 流水量の調節 |
水力発電機によって生みだされる電圧を一定にするために、タービンの速度は、そこにかかる水圧の変化にかかわりなく、一定にたもたれなければならない。このため、フランシス水車もカプラン水車も、流量を制御するために、案内羽根の入り口をあけたりとじたりする大がかりな制御機構が必要となる。
カプラン水車の場合は、羽根のピッチをかえるための制御が必要となる。ペルトン水車の装置では、流水は供給ノズルを開閉して調節する。この場合は、長い導水管の中の急速な流量の変化が、ウォーター・ハンマーとよばれるはげしい水圧を生じ、ときには破壊の危険もあるので、一時的にあふれた水をのがすバイパス・ノズルの設置が必要である。
この調節は、供給ノズルと放水ノズルの両方を通過する水の総量を、バイパス・ノズルをとじるのにあわせて、一定にしておかなければならない。バイパス・ノズルの閉鎖は、ウォーター・ハンマー現象が発生しないように、ゆっくりとやらなければならない。