検索ビュー 太平洋

この項目内で、特定の言葉で検索するには、[編集] メニューの [このページの検索] をクリックします。

入力した言葉とまったく同じ言葉で検索されます。見つからない場合は、別の言葉で検索してみてください。

太平洋
I. プロローグ

大西洋、インド洋とともに三大洋のひとつで、その中で最大の海。地球の全表面積の3分の1以上をおおい、全海洋面積の約半分を占める(海洋)。赤道を境に北太平洋と南太平洋にわかれる。太平洋(パシフィック・オーシャン)は「平和な海」を意味し、1520年、ポルトガルの航海者マゼランによって命名された。

II. 境界と大きさ

東で北アメリカ大陸と南アメリカ大陸に接し、北でベーリング海峡、西でアジア、マレー諸島、オーストラリア大陸、南で南極大陸に接する。南東部分では大西洋との境界線が、ドレーク海峡内の西経68度線にさだめられている。南西側のインド洋との境は公式にはきめられていない。

面積は、境界がはっきりしない西部の周縁海域をのぞいて約1億6500万km²で、地球の全陸地面積よりもはるかに広い。最大長はベーリング海峡から南極大陸までの約1万5500km、最大幅はパナマからマレー半島の約1万7700km。平均水深は4282m。地球上の最深点は、現在わかっている範囲ではグアム島沖のマリアナ海溝で、最大深度は1万920mである。

III. 地質生成と地質構造の特徴

太平洋は現存する海盆(海嶺)の中でもっとも古く、形成する最古の岩石は約2億年前までさかのぼる。海盆と周縁部のおもな地形は、プレートテクトニクスの運動によって生じた。沿岸部の大陸棚は水深約180mで、その幅は南北アメリカ大陸沿いでは狭いが、アジアやオーストラリア大陸沿いでは比較的広い。海中の尾根にあたる東太平洋海膨は全長約8700kmにわたり、カリフォルニア湾を起点に、南アメリカ最南端から西方約3600kmの地点までつづき、海底からの平均高度は約2100mにおよぶ。

東太平洋海膨にそって、溶岩が地殻と核との間のマントルとよばれる層から噴出し、海膨の両側の板状の岩体であるプレート上に地殻を形成する。このため地表の大部分をおおうプレートはひきはなされ、外縁で接する大陸プレートと衝突する。この巨大な圧力のために大陸プレートは褶曲して山脈になり、大洋プレートは下にもぐりこみ、沈み込み帯とよばれる深い海溝をつくる。海溝では地殻がマントル内にひきこまれる。こうした褶曲と沈み込みの圧力が原因となって地震や火山が発生し、太平洋海盆の周辺部は「火の輪」とよばれる。環太平洋造山帯

IV.

太平洋には3万以上の島がある。しかし、その陸地部分をあわせた面積は、太平洋の面積の0.25%にすぎない。西部では大きな島々がユーラシアプレート東端の巨大な大陸棚から隆起(隆起と沈降)し、火山島の弧をなしている。これらの島には、日本、台湾、フィリピン、インドネシア、ニューギニア、ニュージーランドがある。オセアニアと総称される大洋州の島々は、海盆からそびえる山の頂上部分で、溶岩の噴出によってできたものである。

海中に没している山は海山とよばれる。南太平洋をはじめとする多くの区域では、海面の上にでた陸地部分が、成長した貝殻状の物質によっておおわれている(サンゴ礁)。太平洋の東端では、大陸棚は狭く傾斜が急で、島が少ない。おもな島は、ナスカプレートから隆起する赤道直下のガラパゴス諸島、北アメリカ大陸棚の一部である北部のアリューシャン列島などである。

V. 海流

海流は、地球の自転、海水表面での風の摩擦、水温や塩分の差による海水濃度の違いから生まれる。気候は海流と風の影響を大きくうけるため、長期の天気予報や船舶の航行の参考資料にするためにも、海流の研究はかかせない。

北太平洋の表層では2つの環流、つまり循環する流れがある。もっとも北にあるのは反時計回りの亜北極環流で、これには西へながれるアラスカ海流と東へながれるアリューシャン海流がふくまれる。北太平洋の流れは北太平洋環流に支配され、これは時計回りに循環する。これには東へながれる北太平洋海流、南東へのカリフォルニア海流、日本沿岸を北上する黒潮(日本海流)がふくまれる。カリフォルニア海流は寒流で、幅が広く流速がおそい。黒潮は暖流で、幅が狭く、流速がはやい。この点ではメキシコ湾流に似ている。

赤道近くの北緯5度には東にながれる赤道反流があり、南北太平洋の海流を二分し、多量の水を北赤道海流にはこんでいる。南太平洋は反時計回りの南太平洋環流に支配され、これには東と南にながれる暖流の南赤道海流、西へながれる南太平洋海流、南アメリカ大陸にそって北へながれるメントル海流がある。もっとも南をながれる南極環流(西風流)は、地球を一周しながら、太平洋、大西洋、インド洋の海水を混流する。この海流から、幅が広い寒流のペルー海流(フンボルト海流ともいう)が流出し、南アメリカ沿岸を北流して南赤道海流に合流する。

VI.

太平洋上をふく風で重要なものに、2つの偏西風がある。これは、北半球と南半球のそれぞれ緯度30~60度の間を西から東にふく。偏西風は季節によって、あるいは北半球か南半球かによって、強さや性格に違いがでる。北太平洋中央部の突発的にふきあれるはげしい偏西風が、地球全体の気象に強い影響をあたえているとの見方があり、研究がすすめられている。これらの偏西風帯の間には、より安定した貿易風帯があり、北半球では北東から、南半球では南東から、それぞれ赤道にむかってふく。

強い熱帯低気圧(低気圧)は、西太平洋では台風、南太平洋と東太平洋ではハリケーンとよばれ、夏の終わりや秋の初めにかけて貿易風地帯で発生する。赤道には赤道無風帯があり微風がふいているが、季節によっては暴風になる。高緯度地方では、風が気候や海流に直接影響をあたえることはない。

VII. 海洋資源

植物と動物の大半は周辺部に集中する。南極環流の深海域からながれだした栄養分の豊富な海水が、チリやペルー沿岸のペルー海流の表面付近でふきだしているため、この海域にはカタクチイワシの大群が生息し、世界の重要な食料資源になっている。北太平洋西部でも、日本海、オホーツク海が世界的な漁場である。サンゴ礁は海洋生物の宝庫で、世界最大のグレートバリアリーフはオーストラリア北東岸に約2000kmにわたって広がる。マグロも重要な資源で、各国の漁船団が太平洋を広い海域にわたって回遊するマグロの魚群をおっている。

鉱物資源も豊富で、カリフォルニア、アラスカ、中国、インドネシア沿岸の大陸棚には大量の石油が埋蔵されていることが判明し、開発がはじまった。一部の海域では、海底がマンガン団塊といわれる鉄とマンガン酸化物(酸化物)からなるジャガイモ大の塊でおおわれており、これは銅・コバルト・ニッケルなどの金属資源として重要である。こうした鉱床採掘の可能性を調査する計画が進行中である。深海探査