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アセトン
I. プロローグ

ジメチルケトン、2–プロパノンともよばれる、無色で引火性の液体。ケトンに分類される有機化合物の中で、もっとも単純な化合物である。

II. 性状と製造

アセトンはハッカのようなにおいをもち、いくらか甘味がある。水や多くの有機溶媒に自由に溶解するが、アセトン自体も溶媒としてひろく使用されている。アセトンはイソプロピルアルコール(アルコール)の酸化、酢酸カルシウムCa(CH3COO)2の乾留、微生物によるデンプンや糖の発酵によって製造することができる。工業的には、イソプロピルアルコールの脱水素によって製造される。アセトンは人体内の物質代謝(代謝)で生ずる物質でもあり、血液や尿中にもふくまれている。

III. 用途

アセトンは、ゴムや樹脂など各種の有機化合物をとかすため、溶剤としてひろい用途をもつ。製品の代表的なものには、アセトンにセルロースエステル(エステル)や顔料をとかしたラッカー(塗料)などがあげられる。アセテートレーヨン(レーヨン)の生産では、アセチルセルロースの溶剤として大量に使用される。そのほかには接着剤、塗料のはく離剤など多種多様な用途がある。さらに化学工業の原料として重要で、アセトンからはメタクリル酸メチルや無水酢酸など、各種のプラスチックや合成繊維の原料が合成される。

化学式CH3COCH3。分子量58.08。融点-94°C。沸点56.5°C。比重(密度)0.7898。