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はんだ
I. プロローグ

融点が比較的低い金属合金の一種で、金属の接合に使用する。はんだは一般に、融点と強度によって軟ろう(軟質はんだ)と硬ろう(硬質はんだ)に分類される。前者を日本で半田または半田付けとよんだのは、半田銀山(現、福島県)にちなむとも、人の名前であったともいわれる。ふつうは軟ろうのことを「はんだ」といい、鉛とスズを主成分とする合金で、ビスマスや銅、銀が添加されることもある。かつては鋳掛屋(いかけや)とよばれる鉄や銅製の破損した鍋や釜などを「はんだ」や同質の金属で修理してあるく渡り職人が日本の各地にいた。

スズと鉛合金では、スズの量が多くなるほど接着性がよく、融点はスズ63%でもっとも低くなり、電子回路の精密な接合につかわれる。硬ろうは銀と銅、亜鉛の合金(銀ろう)または銅と亜鉛の合金(ろう付け亜鉛)である。JISではスズの量が95~20%の13種を規定していて、一般用ではスズが40~50%、電気用には60%程度、食器用では90%以上のものが使用されている。形状も棒状となったものや線状、粉状、ペースト状などがある。

現在、産業廃棄物としての電子機器中のプリント基板につかわれていた鉛が環境にあたえる影響が問題となっている(鉛中毒)。そのため、鉛をふくまない「無鉛はんだ」も開発されているが、溶融温度が従来のものより高くなっている。

II. はんだ付け

はんだで金属の2つの部分を接合する場合、まず接合表面をみがき、ふつうは松脂(まつやに)か、ホウ砂と塩化アンモニウムの融剤(フラックス)を上にぬり、表面を化学的にきれいにして「はんだ」で接合しやすくする。次に「はんだごて」とよばれる、先を熱した金属製の道具またはバーナーを使用して接合表面を加熱する。表面を「はんだ」の融点まで加熱したら、はんだを接触させて溶融し、固化するまで表面をひやす。「はんだ」は電子回路の製造では不可欠のものである。プリント基板に電子部品をインサーターとよばれる機械で自動的に配置し、そのまま溶解した「はんだ」をみたした容器につける。この工程をディッピングといい、電気製品の製造で広くつかわれる。精密な電子部品につかう「はんだ」は、腐食をさけるために塩素などの化学物質をふくまないフラックスをつかう。