エクアドル
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エクアドル
IV. 経済

エクアドルの経済をささえてきたのは伝統的な農業だが、1965年に工業開発法が制定されてから工業化がすすみ、織物、電気製品、薬品などが製造されるようになった。70年代には石油が産出され、北東部のプトゥマヨ川沿いの油田地帯とエスメラルダス港とをむすぶアンデス横断パイプラインの完成で石油の輸出がはじまった。GDP(国内総生産:GNPとGDP)は414億米ドル(2006年)、1人当たりでは3136米ドルである。

1. 農林漁業

耕地面積(耕地と長期作付用地)はエクアドル国土の9.3%(2005年推計)で、おもにシエラ地域やコスタ地域に広がっている。主要作物はバナナで、第2次世界大戦後にアメリカのユナイテッド・フルーツ社(チキータ・ブランド)が進出し、バナナの世界的生産国となった。ほかにサトウキビ、コーヒー、カカオ、米、トウモロコシ、ジャガイモなどが重要な作物である。

エクアドルはバルサ材の生産国として世界的に知られる。林産品にはほかにもマングローブ樹皮、アイボリーナット(タグワヤシの実)、ゴムがある。

ガラパゴス諸島周辺の海域は世界でも有数のマグロ漁場で、エビも大量に水揚げされ、漁獲量は49万t(2005年推計)。エクアドル本土の沿岸も豊かな漁場である。

2. 鉱工業とエネルギー

エクアドルの主要な鉱物資源は金、銀、銅、鉛、亜鉛である。1920年代初めにはじめて発見された石油は、現在ではエクアドルの産業基盤となっている。石油や天然ガスなどの資源(化石燃料)は国家の所有だが、高率の課税をともなった採掘許可が外国企業に対してあたえられている。2004年の石油生産量は年間1億5012万バレルである。

エクアドルの工業は、伝統的に国内消費向け製品の生産が主体だった。工業開発法の施行により、食品、石油製品、繊維、化学製品の工場が建設され、工業生産はGDP(国内総生産)の10%程度を占める。

エクアドルは電力需要の63%(2003年推計)を水力発電で供給し、残りは火力発電でまかなっている。1990年代初めに300万kWの発電能力をもつ発電所を建設し、2003年には総発電量は113億kWhとなった。

3. 通貨と貿易

エクアドルの通貨単位はスクレだったが、経済の安定化をはかるため、2000年4月から米ドルへの切り替えがおこなわれた。エクアドル中央銀行(1927年設立)が発券銀行である。

2003年の輸出額は60億米ドル、輸入額は65億米ドルである。輸出額の70%以上は石油、カカオ、コーヒー、バナナ、生花で、輸入品は、輸送機器、機械類、自動車、自動車部品、化学製品、食料品である。貿易相手国はアメリカ、コロンビア、ベネズエラ、ペルー、ブラジル、チリ、パナマ、イタリア、日本、中国など。

エクアドルはコロンビア、ペルーなどとともに、アンデス共同体(CAN)のメンバーである。アンデス共同体は共同のエネルギー政策、関税引き下げ、工業や農業の発展、政治協力、貿易改善、共同市場の創設にとりくんでいる。エクアドルはラテンアメリカ自由貿易連合(LAFTA)の創設メンバーだったが、ラテンアメリカ自由貿易連合は1981年にラテンアメリカ統合連合(ALADI)に改編された。ラテンアメリカ統合連合は貿易の促進による参加国の経済的、社会的な向上をめざして、南アメリカの大半の国が加盟している。2004年にはメルコスール(南米共同市場)に準加盟。また1973年から92年までOPEC(石油輸出国機構)のメンバーだった。

4. 交通と通信

エクアドルの道路総延長は4万3197km(2004年)に達し、パン・アメリカン・ハイウェーが南北にはしっている。国有鉄道は総延長965km。エクアドルのおもな港町としては、国内の主要都市と飛行機や鉄道でむすばれたグアヤキルのほか、ラリベルター、エスメラルダス、マンタ、プエルトボリーバルがある。グアヤス川、ダウレ川、ビンセス川は浚渫(しゅんせつ)され、船が航行できる。キトやグアヤキルの近くには国際空港がある。

キトのラディオ・ムニシパル(AM)、ラディオ・コルディエラ(FM)など、エクアドルには多くのAM、FMラジオ局があり、地上波テレビのほか、ケーブルテレビをみることもできる。36紙(2000年)の日刊紙が発行されており、おもな新聞としてはキトのエル・コメルシオやグアヤキルのエル・ウニベルソがある。

エクアドルの労働人口は640万人(2006年)で、そのうちの8%(2005年)が農林漁業に、21%が製造業や建設業に従事している。労働団体がいくつかあり、最大のものが労働総同盟で、手工業労働者、知識人、港湾労働者、鉄道労働者などもそれぞれ労働組合に参加している。