アルファベット
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アルファベット
II. 北セム文字

知られている最初のアルファベットは、前1700~前1500年ごろに地中海東部の沿岸地域で発達したと一般に考えられている。このアルファベットは北セム文字とよばれ、楔形文字とヒエログリフをくみあわせてできたものであるが、クレタ文字やヒッタイト文字のような類縁関係にあるアルファベットからとられたものもあるようである。北セム文字には子音をあらわす文字しかなく、単語の中の母音はおぎなってよまなければならなかった。

北セム文字をうけついでいる、現在のヘブライ文字の数は22、アラビア文字の数は28だが、やはり子音をあらわす文字しかない。ただし、なかには母音をもあらわすことのできる文字もあるし、子音文字の上下や横に母音をあらわす点や線をつけくわえることもできる。北セム系の文字は右から左に書かれる。アラビア語:セム語族:ヘブライ語

前1000年ごろに北セム文字が、南セム文字、カナン文字、アラム文字、ギリシャ文字の4つの系統にわかれたと考える学者は多い。ただし、南セム文字だけは北セム文字とは独立に発達したか、両者が共通の祖先から発達したのだという説もある。南セム文字は、アラビア半島でかつてもちいられていた諸言語や、現代のエチオピアの諸言語のアルファベットの起源である。

また、アラム文字は、西アジア全域でもちいられているセム系および非セム系のアルファベットのもとになっている。このうち、セム系の文字には、方形ヘブライ文字がふくまれるが、この文字は古代ヘブライ文字にかわってもちいられるようになり、現代ヘブライ語のアルファベットの原型となった。