放送
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放送
X. 世界の放送状況

1970年代と80年代の初め、放送は世界的規模で劇的に発達した。すべての産業国家は大規模な国内向けラジオとテレビ設備をもち、その多くは短波ラジオの国際放送をおこなっている。発展途上国ではラジオとテレビの放送制度をつくっているか、計画中である。今日、ほとんどすべての国がテレビ放送を実施している。世界には7億3500万台以上のテレビがあり、その80%はヨーロッパ、北アメリカ、日本に集中している。多くの発展途上国ではテレビは大都市地域にかぎられている。

ラジオ放送は実質上、世界の全域でおこなわれている。国連教育科学文化機構(UNESCO)の調べでは、世界のラジオ台数は16億台以上、3人に1台の割になるが、ラジオ受信機の4分の3はヨーロッパと北アメリカの工業国に集中している。

最近の技術進歩にともない、地上波の放送のほかに、CATVや衛星による番組サービスが盛んになった。CATVはケーブルの広帯域性を生かした多チャンネルサービスにもちいられ、地上波のテレビとはことなる番組が多数登場している。

衛星は直接衛星放送とCATVへの番組配給に利用されている。とくにアメリカでは衛星を利用したCATV向けサービスの普及で、1980年以降CATVの加入世帯が急速に増加した。西ヨーロッパの一部も同様である。いっぽう、80年代後半以降、衛星放送が本格的におこなわれるようになった。

1. 番組貿易

テレビ番組の国際取り引きは急増している。アメリカは毎年、数十万時間のテレビ番組を輸出している。番組の価格は国によって大きく変化し、小さな発展途上国ではたった50ドルのものが、ヨーロッパの主要放送会社では5000ドル以上する。全番組の75%も輸入している国では、文化と言語の発達を阻害すると問題になり、番組の輸入に厳格な制限をもうけている国もある。フランスは輸入枠を50%としている。

1993年の日本の輸入番組は2843時間、全放送時間の5.2%で、この比率は20年間ほとんどかわっていない。輸入先はアメリカがもっとも多く、全体の73%を占める。番組の種類ではドラマ・映画が多く、65%を占める。

いっぽう、輸出番組は2万2324時間で、輸入番組の8倍にあたり、1980年にくらべ4.8倍という伸びをしめしている。輸出先はアメリカが1位、以下スペイン、香港、タイとつづく。番組の種類では、アニメが断然多く58%を占める。海外で爆発的人気をよんだ「おしん」はアジアや東欧など43カ国に輸出されている。