| 人類の進化 | 項目ビュー | ||||
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| I. | プロローグ |
人類の進化とは、すべての現代人が属す種である新人(ホモ・サピエンス)が出現する経緯と、人類の文化発展の道筋のことである。これまでに数多くの古人類化石(→ 化石人類)が、世界各地で発見されてきた。遺跡からは石器、骨角器や炉跡、墓なども発掘されている。これらの資料を総合的に解釈することにより、現在では過去600万年にわたる人類進化の大筋が明らかにされつつある。
ただしわれわれは、過去の歴史のすべてを知ることができるほど、多数の証拠を手にできるわけではない。骨や考古遺物がうまく土にうもれて保存され、現代に発見される確率は低い。このような断片的証拠から過去を復元している面があるため、たとえば「ある人類のグループがいつ出現し、何の原因によっていつ姿をけしたか」などといった問いに正確に答えることはきわめてむずかしい。この分野では、研究者間で証拠の解釈がくいちがうこともめずらしくなく、論争がたえない。それでも遺跡の発掘による証拠の蓄積と、それらの分析をつづけることによって、人類進化に関する理解は着実にすすんでいる。
人類は、哺乳類の中の霊長目に分類される(→ 霊長類)。人類とは、現代人だけでなく、過去に存在したわれわれの祖先グループもふくむ概念である。伝統的な分類では、過去・現在の人類に属する生物種全体を1つの科としてまとめ、ヒト科とよぶ。この場合、アフリカの類人猿であるチンパンジー、ボノボ(→チンパンジーの「ボノボ」)、ゴリラは、ショウジョウ科として人類とはことなる科に位置づける。しかし最近、遺伝子のうえで両者が予想以上に類似することが判明し、かつ進化の歴史の中でゴリラの系統が分岐したあとにチンパンジー・ボノボの系統とヒトの系統が枝わかれしたことがわかると、こうした系統関係を反映するよう、分類を再整理すべきであるという意見も出てきた。
この場合、大型類人猿と人類をまとめてヒト科とする。そしてヒト・チンパンジー・ボノボをヒト亜科としてまとめ、さらにヒトの系統だけをさししめすには、その下位の族というレベルでヒト族とする。つまり新しく提唱されている分類では、ヒトのグループを、旧来の科レベルから族レベルに格下げする。どちらの分類を採用すべきかについては、専門家の間でも意見がわかれている。