| 火星 | 項目ビュー | ||||
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| III. | 火星の外観 |
火星の自転周期は24時間37分と地球とほぼ同じで、赤道面が自転軸に対し25.19度(地球は23.44度)かたむいているために、地球と同様な昼夜と四季の区別がある。火星の1年の長さは地球の約2倍で、南半球の夏は短くて比較的暖かく、冬は長くて比較的寒冷である。望遠鏡でみると、火星には明るいオレンジ色の領域と、暗くてあまり赤くない領域があることがわかるが、この色は火星の季節によって変化する。
火星の赤い色は表面がひどく酸化しているためである。暗くみえるところは地球の玄武岩に似た岩で構成され、表面が風化し酸化していると考えられている。もっと明るいところは、暗いところの物質と似てはいるがもっと細かく、塵(ちり)くらいの大きさの粒子が多くふくまれた、より風化して酸化した物質からなる。地球にはめずらしい柱石系鉱物のスカポライト(柱石)があちこちでみられる。スカポライトは大気中の二酸化炭素を貯蔵する役割をはたしているのかもしれない。
| 1. | 火星の極冠 |
火星の極地方には二酸化炭素を主成分とする霜か氷でできた明るい極冠がはっきりとみえる。イタリアの天文学者ジョバンニ・カッシーニにより発見された極冠の季節的な変化の観測は、19世紀初めドイツ出身の天文学者ウィリアム・ハーシェルによりはじめられた。秋をむかえた極の上では明るい雲が形成され、この白雲の下で二酸化炭素の霜が秋から冬の間につもる。冬の終わりには極冠は緯度45度くらいまで広がる。春になると白雲がきえて、冬にできた霜の冠が明らかになる。極冠の境界線は、堆積(たいせき)した霜が太陽光によって蒸発するにつれて極のほうへと後退していく。真夏になると北極では二酸化炭素は完全に昇華し、こおった水の層がのこる。一方の南極でも極冠の後退がとまり、中心部分がのこる。
のこった極冠はそのほとんどが二酸化炭素の氷(ドライアイス)でなく、水の氷だと考えられる。極冠の幅は南極では300km、北極では1000kmになる。厚さがどれくらいか正確にはわかっていないが、こおったガスと水蒸気がふくまれており、2kmくらいあるだろう。
| 2. | 火星の雲 |
こおった二酸化炭素からなると思われる白雲にくわえて、火星ではほかの雲もよくみられる。高い高度での霞(かすみ)と局地的な水の氷の雲である。また極地方など寒冷な地域ではドライアイスの雲や霧もできると考えられている。これらの雲や霧は、火星の表面や極冠から蒸発する水蒸気や、極冠上空で水蒸気や二酸化炭素が凝結したり、山など高い障害物の上に大量の空気がもちあげられて急冷されるとできる。黄色い雲は、火星の風にまきあげられた塵(ダストともいう)からなり、南半球の夏の間に広くはっきりとみえる。