熱の伝達
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熱の伝達
II. 伝導

伝導は、不透明な固体における唯一の熱の伝達手段である。金属棒の一端が熱せられて温度があがると、熱はもう一方の冷たい端の方向に伝導する。しかし固体の中における伝導の仕組は完全にはわかっていない。

部分的には固体内の自由電子の運動に起因すると考えられている。温度差ができると自由電子がエネルギーを運搬するのである。こう考えると、よい電気伝導体(導体)が、同時によい熱伝導体であるということがわかる。

熱伝導現象は数世紀も前に知られていたが、正確な数式で表現したのは、1882年にフランスの数学者フーリエが最初であった。このフーリエの法則は、物体の単位面積当たりに伝導する熱の割合は、物体内の温度勾配の符号をかえたものに比例するとのべている。

1. 熱伝導度

熱の流れと温度勾配との比は、物質の熱伝導度とよばれる。金、銀、銅などは熱伝導度が高く、すばやく熱をつたえる。しかし、ガラスやアスベストの熱伝導度はその数百分の1も数千分の1も小さく、熱をつたえにくい。

これらは断熱体とよばれる。工学で固体内に温度差が生じたときの熱伝導を計算しなければならないことがよくあるが、計算には複雑な数学の手法が必要である。過渡的熱伝導現象といった、時間とともにかわるような伝導の場合はなおさら複雑になる。現在では複雑な構造における熱の伝導も、コンピューターを利用して計算がおこなわれている。コンピューター