フッ素
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フッ素
IV. 用途

フッ素化合物には数多くの用途がある。なかでも第2次世界大戦の前後に実用化された多くの有機フッ素化合物は、きわめて多方面に利用がひろまった。

代表的なフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン)である。これはテフロンの商品名でよく知られ、熱や化学作用に対して耐久性があり、摩擦抵抗が低いためすべりやすく、粘着しない。そうした特性を利用したテフロン加工のフライパン、アイロンなど家庭用品のほか電気絶縁テープや建材などが普及している。

石油をもとに合成される有機フッ素化合物からは、フッ化樹脂のほか、安定性の高い潤滑剤が生産される。またフレオンの商標名をもつフロンは化学的に安定な無臭の気体で、毒性や腐食性がなく、不燃性であるため、スプレーの噴霧剤、冷媒、ウレタンフォームの発泡剤などにひろく利用されてきた。

しかし1974年、環境に放出されたフロンが成層圏に達すると、紫外線によって分解し、地球のオゾン層を破壊するという警告がアメリカの科学者によってなされた。80年代には南極上空で、オゾン濃度の低下で生じたオゾンホールが発見され、地球の温暖化や皮膚癌の発生など、フロンの危険性がみとめられた。フロンの生産は現在では中止にむかい、オゾン層を破壊しないような代替フロンが開発されつつある(環境問題)。

六フッ化ウランUF6は、核分裂をおこすウラン235の濃度を高めるためのガス拡散法にもちいられる。

元素記号F。原子番号9。原子量18.9984032。周期表(周期律)の17族に属する。融点-218.6°C。沸点-188°C。気体の密度1.696g/dm³(25°C)。液体の密度1.513g/cm³(-188°C)。地殻中の存在量は554ppm。